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バンザイ突撃(バンザイとつげき)とは、太平洋戦争(大東亜戦争)中の日本軍兵士により実行された玉砕前提の突撃のことである。 戦術的な意味よりも、「捕虜になる位なら誇り高く潔く死ぬ」という思想のあらわれ〔大波篤司 ミリダスJ p582〕とも言われ、敵軍優勢の中、補給や増援を望めず撤退も不可能な状況の日本兵が、自決する際のように「天皇陛下万歳」などの雄叫びを上げて突撃したもの。「万歳」の歓声とともに敢行されることから、連合軍兵士から『バンザイ・アタック』''Banzai attack''又は『バンザイ・チャージ』''Banzai charge''と呼ばれ、バンザイ突撃とはこれが和訳されたものとされる。英語から再輸入された日本語由来の言葉であるので、漢字で「万歳突撃」と書かれることもある。 当時のアメリカ兵などからは、バンザイ突撃は狂信的な兵士達による理解不能な自殺行為として受け取られ、バンザイ突撃を受けた兵士の中にはストレス障害(戦闘ストレス反応)などの精神的ショックを受ける者もいたことが記録されている。 また、ガダルカナル島の戦いにおけるバンザイ突撃の日本側視点の資料としては、バンザイ突撃に加わりながら生還した歩兵第30連隊第11歩兵中隊の中隊長・勝股治郎大尉の著作「ガダルカナル島戦の核心を探る」がある。 バンザイ突撃に対し、連合軍側は豊富な人員・弾薬補給を前提とした十字砲火を基礎とする弾幕射撃にて対抗し、後の最終防護射撃の確立へと至るのである。 == 無降伏主義 == 旧日本軍でも当初は無降伏主義では無く、降伏したり捕虜となった者でも不当に扱われる様な傾向は少なく、事実日露戦争期には、捕虜経験者であっても将官となった者、金鵄勲章を受けた者がいた。日露戦争や第一次世界大戦など、大日本帝国が経験した戦争でも、近代国家として国際的地位確立を目指したこともあって、交戦相手の軍の組織的投降をヨーロッパにおける基準に沿って取り扱うことを目指していた。 日本軍で無降伏主義が暗黙の了解となったのは第二次世界大戦前後からである。陸海軍刑法において「尽くすべき所を尽くさずして降伏」した指揮官には死刑、「尽くすべき所を尽くして降伏」した指揮官には禁固六ヶ月の罰則を定めていた他、1939年ノモンハン事件では捕虜となった将兵が身柄送還後に自決を強要されたり、危険の大きい作戦に投入される例があった。1941年(昭和16年)に制定した戦陣訓において「生きて虜囚の辱めを受けず」とされ、太平洋戦争中でも個々の兵士や部隊での降伏や投降は極端に少なくなった。これらの理由として、陸海軍刑法で事実上降伏が違法とされた事や、戦陣訓での戦術の記述が降伏をためらわせる一因になった上に、捕虜経験者とその家族に対する社会的差別や、連合軍兵士が投降兵を殺害する事例が珍しくなかったことが挙げられる。また日本軍将兵が捕虜となった際の尋問応対法等は想定されず、教育もされなかったため、情報漏洩や利敵行為の原因になった。さらに、捕虜となった兵士の家族が社会的差別を受けたため、連合軍が捕虜を尋問する際に「捕虜になったことを日本側に通告する」との恫喝に利用された。 この様な『無降伏主義』は日本軍のみに見られた事では無く、他でも見られた。ドイツ国防軍では、第二次世界大戦の初期においては捕虜となった将兵やその家族が不利益を被ることは少なかったとされるが、スターリングラード攻防戦において、フリードリヒ・パウルス元帥指揮下のドイツ第6軍は、絶望的な状況でも撤退も降伏の許可も与えられず壊滅の憂き目に遭っている。イギリス軍でもシンガポールの戦いにおいてアーサー・パーシバル将軍指揮下の守備軍はチャーチル首相の死守命令によって降伏を禁ぜられるなど、無降伏主義と無縁ではなかった(ただし前二者の事例では指揮官が死守命令にそむいて降伏しており、同時代の日本軍では通例であった玉砕にまでは至っていない)。ソビエト連邦 (ソ連国防人民委員令第227号)や中華民国(軍刑法である戦時軍律第六條は''敵に降参するものは死刑に処す''と定めていた)などは日本と同様な無降伏主義をとっており、投降兵が自軍に復帰した場合に処刑したり、投降兵の家族に対しては食糧配給差し止め、国外追放や強制収容所送致等の不利益処分が行われていた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「バンザイ突撃」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Banzai charge 」があります。 スポンサード リンク
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