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三人無筆(さんにんむひつ)は古典落語の演目の一つ。原話は、明和9年に出版された笑話本・「鹿子餅」の一遍である『無筆』。元々は『向こう付け』という上方落語の演目。別題は『帳場無筆』。 主な演者として、東京では柳家一琴や7代目立川談志、上方では3代目笑福亭仁鶴、4代目桂塩鯛などがいる。 == あらすじ == 大工の八五郎が、散歩から帰ってくると、女房が突然大騒ぎする。 何があったのかと聞くと、なんでも日頃八五郎のことを可愛がってくれていた、 十一屋のご隠居が亡くなったために店の者が八五郎を捜して訪ねてきたらしい。 事態は把握した八五郎だったが、どうしたらいいのかわからずとりあえず妻から悔やみの文句を教えてもらい、通夜に向かう。 その後、お店のお通夜に行っていた八五郎が、なぜか物凄い形相で帰ってきた。 「夜逃げするぞ! 草鞋を支度して、代えの蝋燭を五・六本…」 パニック状態の八を何とか鎮め、かみさんが事情を尋ねると…? 「明日の葬式でな、帳付(記帳係)を頼まれちまったんだ」 「あら、良いじゃないか。雑用させられるより楽だし、羽織を着て帳場に座っていると貫禄が出るよ」 「"貫禄が出る"って…俺は字なんぞ書けねぇんだよ!!」 そうだった。八五郎は腕のいい大工だが、字は読むことも書くことも出来ない。 《顔の広さ》を買われて抜擢された役だが、このままやったら大変なことに…。 「だから逃げるんだ!」と大慌ての八五郎に、呆れたかみさんはある秘策を授けた。 「帳付をするのは、お前さん一人じゃないんだろ?」 「あぁ。確か、源兵衛さんも一緒だ…」 「だったら、源兵衛さんに帳付けをやらせちゃえばいいんだよ」 帳場の周りを掃除して、半紙を綴じて帳面を作って。お茶を沸かして、墨をすって…。 あらゆる準備をした上で、後からやってくる源兵衛さんに事情を話し、帳付を押し付けてしまおうというわけだ。 翌朝、まだ暗い内に寺へ駆け込んだ八五郎だが…なぜかすべての準備が整っている。 首をひねる八五郎に、奥から出てきた男―源兵衛が声をかけた。 「エヘヘ、帳付をお願い…」 実は源兵衛も無筆。困った二人は、『仏の遺言で帳面はめいめい付け』と言うことにして、客に書かせようと考えた。 「エー帳面は、めいめい付け、向こう付け、やたら付け…」 漬物屋の売り声みたいな事を言う。そうこうしている内に、占いの先生がやってきた。 その先生に代わってもらい、何とか帳付は終了。いざ帰ろうとすると、建具屋の半次がやって来る。 「さっきまで吉原にいたんだけど、女が離してくれなくて…」 寺で惚気を言うような、この頓珍漢な男も実は無筆。困った八五郎と源兵衛が、相談の末だした結論は…? 「半次は葬式にこなかったことにしよう」 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「三人無筆」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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