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三幕構成(さんまくこうせい、Three-act structure)は、脚本の構成である。三幕構成では、ストーリーは3つの幕 (部分) に分かれる。それぞれの幕は設定 (Set-up)、対立 (Confrontation)、解決 (Resolution) の役割を持つ〔ここまで。#フィールド pp. 17-22.〕。3つの幕の比は1:2:1である〔#シーガーII pp. 43 f. 監訳者注.〕。 幕と幕はターニングポイントでつながっている。ターニングポイント (プロットポイント) は、主人公に行動を起こさせ、ストーリーを異なる方向へ転換させる出来事である〔ここまで。#フィールド p. 23.〕〔ここまで。#シーガーII pp. 43, 56-57.〕〔ここまで。#シーガー pp. 100 f.〕。 一般に、映画の脚本は三幕構成になっている。国際的には、映画は三幕構成のモデルに基づいて制作されている〔ここまで。〕〔ここまで。〕〔ここまで。〕〔ここまで。〕。三幕構成のモデルは、小説、コミック、ゲーム、テレビドラマ〔#シーガーII pp. 42 f.〕、およびドキュメンタリーなど他の分野にも応用される。 三幕構成の枠組は1979年、''映画に共通して見られる基礎''として、シド・フィールドによって理論化された。フィールドの教本 ''Screenplay: The Foundations of Screenwriting''〔日本語訳: 『映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと-シド・フィールドの脚本術』 フィルムアート社、2009年。ISBN 4845909278。〕 は、世界22カ国語以上に翻訳され、数回の改訂を重ねている〔ここまで。「訳者あとがき」 #フィールド pp. 346 f.〕〔フィールドの教本の帯には、日本の映画監督3名が推薦文を寄せている。 / 第1巻: 山田洋次「拙いシナリオからは、どんな名監督の手にかかっても、良い作品は生まれない。徹底したディテールと構造の考察が、傑作をうむことを教えてくれる。」 / 犬童一心「勉強になりました。クールに時に暑く書かれた脚本の名指南書」 / 第2巻: 大林宣彦「言葉で考える人間が、絵で伝えるものが映画だ。言葉と映像との葛藤が劇を生み、脚本術こそが映画の核となる。面白く、劇的な一冊だ。」 / 犬童一心「脚本は映画の地図、作戦計画書、そして魂。」〕。 == 構成 == 一般に、映画は「設定」「対立」「解決」の役割を持つ3つの幕 (act) に分けられる〔フィールドの''Screenplay''の日本語版では、「対立 (衝突)」は「葛藤」と翻訳されている (#フィールド pp. 17, 20.)。一方で、原語は "confrontation" である (#paradigm)。この項目は、原語により近い訳語を採用している。〕。ストーリーの始まりが「設定」であり、中間が「対立」であり、終わりが「解決」である〔ここまで。#フィールド pp. 17-22.〕。第一幕 (設定) では、誰が、何をするストーリーであるのかが設定され〔シド・フィールドの言う「何についてのストーリーか」は「ドラマの前提は何か」ということであるが (#フィールドII p. 159.)、フィールドは「ドラマの前提」について、ある弁護士を主人公としたストーリーを例に説明している。「サラ・タウンゼントが、原子力発電所の安全基準の見直し運動に関係していくというのが、ドラマ上の前提である。サラは調査の過程で、ある原子力発電所が安全ではないという事実を発見するのである。ある政治家が、安全ではないのにも関わらず、その建設を推進したのだ。/このことが、ドラマの前提である」(ここまで。#フィールド pp. 95 f.)〕、主人公の目的が示される〔#フィールドII p. 144.〕。第二幕 (対立、衝突) では、主人公が自らの目的を達成するために、その障害と対立、衝突する〔#フィールドII p. 185.〕〔#シーガー p. 192.〕。第二幕の後半には、主人公が敗北の寸前まで追いつめられる〔#ウェルマン pp. 168, 176, 184-186.〕〔#スナイダー pp. 126-133.〕。そして、第三幕 (解決) では、ストーリーの問い、すなわち「主人公は目的を達成できるのか?」という問いに対する答えが明かされ、その問題が解決される〔#フィールドII p. 238.〕〔#シーガーII pp. 51 f.〕。 第一幕の終わりと第二幕の終わりには、ターニングポイント (プロットポイント) がある〔「このことは、プロットポイントが脚本上に二つしか存在してはいけないということを言っているのではない。……これら二つのプロットポイントを予め考えておけば、それらによってストーリーラインがしっかりと固定される。……完成した脚本にはだいたい十から十五個のプロットポイントが存在する。そのほとんどが第二幕にある。」(#フィールド p. 169.)〕。シド・フィールドによれば、ターニングポイント〔フィールドは「プロットポイント」という表現を用いている (#フィールド pp. 22 f.)。ハリウッドでは「プロットポイント」と呼ぶほうが主流である (#ウェルマン p.143.)。一方で、シーガーおよびスナイダーの教本は「ターニング・ポイント」と呼称している。本項目は、より一般に認知されている「ターニングポイント」という表現を採用している。〕とは、「アクション (行動) を起こさせ、物語を違う方向性に向かわせる事件やエピソードなど」をいう。ターニングポイントは主人公に関するイベントである〔ここまで。#フィールド pp. 22 f.〕。それは劇的で大きな場合もあれば、そうでない場合もあり、ときには台詞や決断のみである〔ここまで。#フィールド p. 187.〕。ターニングポイントの目的は、解決に向けてストーリーを前進させることである。幕の最後のターニングポイントにおいて、主人公が問題を解決するための選択をすることにより、設定から対立へ、対立から解決へと幕が転換する。もしストーリーに対立がなければ解決はなく、解決がなければ結末はない〔ここまで。#フィールド pp. 23-24, 169.〕。 それぞれの幕の時間配分は、1:2:1である (ただし現在の第三幕はより短い〔#ウェルマン p. 194.〕〔短い第三幕が1990年代後半以降の主流になっている (#ウェルマン p. 194.)。例えば、『アナと雪の女王』('13) は、3:6:1という構成であり、第三幕の長さが1:2:1モデルの半分に満たない (後述)。〕)〔#シーガーII pp. 43 f. 監訳者注。〕。このとき、第一幕がおよそ4分の1、第二幕がおよそ半分、第三幕がおよそ4分の1である〔#フィールド p. 17.〕。通常、2時間映画の場合〔「ほとんどのハリウッド映画は二時間ほどの長さである。外国語映画は〔も〕……多くの場合、二時間を少し過ぎるか、それよりも短いかという長さだ。これが標準的な長さで、今日、製作者とプロデューサーの間でかわされる契約書には、映画は二時間八分以内で納入されなければならないと書かれていることが多い。」(#フィールド p. 18.)〕、第一幕は開始から約30分間であり、第二幕はその次の約60分間であり、そして第三幕は最後の約30分間である (映画の1分は、脚本ではおよそ1ページになる)〔ここまで。#フィールド pp. 17-22.〕。そして、第一幕から第三幕のそれぞれにまた、始まり、中間、終わりがある〔#フィールド pp. 233-235.〕。このような配分を全く無視した映画は、観客の関心を維持できなくなる可能性が高まる〔#シーガーII pp. 68-70.〕。 ほとんどの場合、映画は複数のストーリーライン (物語の筋) から出来ており、メインプロット以外に少なくとも1つの (とくにラブ・ストーリー) を持っているが、サブプロットにも始まり、中間、終わりがある。さらに、より高度なサブプロットには、はっきりとした目的とターニングポイントが確認できる。メインプロットとサブプロットが互いに影響し合うことで、ストーリーは非常に多くのバリエーションを持つことになり、その展開は観客の予想を超えたものとなる (映画に複数のプロットを持たせることは伝統的な手法である〔がサブプロットと三幕構成の関係について解説する中で、サブプロットの肯定的な例として挙げている映画作品は、1990年代前半に製作された2作品を除き、いずれも''1980年代またはそれ以前''のものである。すなわち、『刑事ジョン・ブック 目撃者』('85)、『脱出』('72)、『いまを生きる』('89)、『月の輝く夜に』('87)、『アフリカの女王』('51)、『トッツィー』('82)、『殺したい女』('86)、『逃亡者』('93)、『許されざる者』('92)、および『バック・トゥ・ザ・フューチャー』('85) がそれにあたる (ここまで。#シーガーII pp. 75-102.)。 / また、映画には複数のパラレルなメインストーリーを持つ構成もあるが、シーガーはこれも新しいものではなく、「''従来型の作品によく使われる''」としている (#シーガー p. 27.)。〕)〔ここまで。#シーガーII pp. 75-104.〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「三幕構成」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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