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三角帽子(さんかくぼうし、Tricorne,トリコーン)とは、18世紀にヨーロッパやアメリカで流行した帽子である。最盛期には、軍人のみならず、民間人もかぶっていた。両脇と後ろを折り返してあるため、上から見ると三角形に見え〔Gentlemen of Fortune 〕「3つの」を意味するtriをつけて、トリコーン(トリコーヌ)と呼ばれるようになった。女性も、馬に乗る際に用いた〔Koroku - 小六うらら 〕。 == 歴史 == 元々は、17世紀に、スペインの兵士がフランドルでかぶっていた、丸くてつばの広い帽子が進化したとも〔Castells, Albert. "Los tercios viejos y la presencia espanola en Flandes", Espasa, Madrid, 1997〕17世紀後半に、つばが巻いてあっただけなのが進化したとも〔Hatlandcap:帽子100年 ヨーロッパにおける帽子の起源 バロック 〕いわれる。また、海賊たちが、船上でかぶると、つばが邪魔になるので巻きあげて止めたともいわれている〔Privater & Pirate Clothing - Hats Cont.| Shady Isle Pirates & BB Privateers 〕。この帽子の特徴は、実用的なところである。上向きになった部分が溝を作るため、雨が顔にじかに落ちず、肩に流れて行くようにする。雨を防ぐのに特化した道具が発明される前は、明らかに便利なものだった〔See UMass Digital Collection: Tricorn hat. 〕。いずれにしても、それまではもっとつばが広く、それ以前には、丈の高い帽子が用いられていたが、欧米の男性がかつらをつけるようになったため、かえって邪魔になり、丈の低い三角帽子が普及した。一方、かぶらずに持ち歩くだけのシャポー・ブラというのもあった。装飾として金レースや〔コケイド(花形帽章)をつけることもあった〔。 素材はフェルトまたはビーバーの毛皮で〔、新大陸のカナダで取れるビーバーの毛皮は、それよりもかなり以前から、ヨーロッパでの需要が高まっていた〔木村和男著 『毛皮交易が創る世界 ハドソン湾からユーラシアへ』 岩波書店、2004年、3-4頁。〕。 18世紀になると、それまでの海賊的な私掠船隊が海軍として組織化されて行き、階級の発生、指揮や命令の達成の意味から、地位を表すための制服が導入された。制帽もあったが、士官は三角帽子のほうを好んでかぶった。普通の水兵たちは、スカルキャップと呼ばれるつばなし帽をかぶっていたが、のちに、タールを塗った帆布の、つばのある帽子をかぶった。このため、水兵たちはタールポーリン、その後タールジャックというあだ名を付けられた〔。時代が下るに連れ、三角形をより鋭角的にしたのも登場したが、18世紀末にかつらとともに三角帽子もすたれ、二角帽子が主流になった〔。19世紀には、シルクハットやシャコが主流となった〔Hats and Headware 〕。 三角帽子は、アメリカ独立戦争のニューイングランド入植地軍も用いている〔。 コックドハットという名称は、この三角帽子と二角帽子をさしているが〔、三角帽子のみを指す〔、あるいは、二角帽子がコックドハットの代名詞という説もある〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「三角帽子」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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