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ジェット気流(ジェットきりゅう、英語:jet stream)とは対流圏上層に位置する強い偏西風の流れ。 気流の流れを軸とすると、軸の中心に近いほど風速が速く、どこでも平均的な普通の風とは異なるのが特徴。成層圏などにも存在するが、単に「ジェット気流」という場合は対流圏偏西風のものを指す。 極を中心に特に上空8 - 13km付近で風速が最大となる。主要なものとして北緯40度付近の寒帯ジェット気流と北緯30度付近の亜熱帯ジェット気流がある。長さ数千km、厚さ数km、幅100km程度で、特に冬季には寒帯前線ジェット気流と亜熱帯ジェット気流が合流する日本付近とアメリカ大陸東部では風速は30m/sぐらいで中には100m/s近くに達することもあるが、夏期はその半分程度の風速に弱まる。 航空機が、西から東へ向かう場合はジェット気流に乗ることで燃料と所要時間を大幅に短縮することができ、逆の場合はこの気流を回避する必要があることから、最短距離である大圏コースから大きく外れたルートをとる場合もあり、季節によってジェット気流が吹く場所が変わる関係で時期によって所要時間が異なることが多い〔航空豆知識「行きと帰りでなぜ飛行時間が違うのか」 - 日本航空月刊誌『Agora』 〕。 == 発見の歴史 == 1883年のクラカタウ山の噴火を観測していた人々は、一年あまり噴火の影響を追跡し、記録していた。彼らは、「赤道上空の噴煙の流れ」として、ジェット気流の存在を記録していた〔 〕。 1920年代には、日本の高層気象台長大石和三郎は、欧米諸国がその存在に気づく以前に、ジェット気流の存在を発見した〔John M. Lewis. Oishi's Observation: Viewed in the Context of Jet Stream Discovery. Retrieved on 2008-05-08.〕。富士山の付近から測風気球を飛ばすことで上層の風を調査したものであった〔Martin Brenner. Pilot Balloon Resources. Retrieved on 2008-05-13.〕。しかし、日本国外ではこの論文は注目を集めなかった。 1933年、アメリカのパイロットであるウィリー・ポストが世界一周の際にジェット気流に遭遇した。1935年には、 高度10000mを越える上空の大陸間飛行を何度か行い、ジェット気流に乗ると対気速度に対して対地速度が大幅に上回る事実が確かめられた〔Acepilots.com. Wiley Post. Retrieved on 2008-05-08.〕。しかし、その後まもなく事故死したため詳細を発表しないまま終わった。 1939年、ドイツの気象学者H. Seilkopfがこの気流を発見し''"Strahlstrom"''(ドイツ語でジェット気流)と名付けた〔Arbeiten zur allgemeinen Klimatologie By Hermann Flohn p. 47 〕。 第二次世界大戦中になって、ドイツ軍が緒戦でヨーロッパ諸国を空爆したときにジェット気流に遭遇したこと、アメリカ軍の航空機が日本に向かう際に強い向かい風にあったことなど(B-29がスロットルを全開にしても「後ろへ飛んだ」という話すらある〔テケネス『鳥と飛行機 どこがちがうか』pp. 66 - 67〕)、その存在が頻繁に確認され、欧米諸国でもジェット気流の存在が広く知られるようになった。だが、本格的な学術調査が行われることはなかった。大戦末期には、日本は風船爆弾によるアメリカ本土爆撃にジェット気流を利用した。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ジェット気流」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Jet stream 」があります。 スポンサード リンク
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