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(n) ice-free port =========================== ・ 不 : [ふ] 1. (n-pref) un- 2. non- 3. negative prefix ・ 不凍 : [ふとう] (n) ice-free ・ 不凍港 : [ふとうこう] (n) ice-free port ・ 凍 : [とう] 【名詞】 1. being frozen over 2. congealing ・ 港 : [みなと] 【名詞】 1. harbour 2. harbor 3. port
不凍港(ふとうこう、Warm-water port/Ice-free port)とは、地理学、地政学の用語。冬季においても海面等が凍らない港、または砕氷船を必要としない港のこと。高緯度にある港湾は厳冬期にしばしば凍結するが、ノルウェーのフィヨルド地域にみられる諸港やロシアのムルマンスク(・ポリャールヌイ)のように、高緯度であっても暖流の影響で不凍港となる場合がある。不凍港は軍事的・経済的な価値が大きい。 == 概要 == 熱帯・乾燥帯・温帯に属する諸地域の港湾は通常、冬季であっても凍結しないのが普通であり、したがって「不凍港」が話題になるのはもっぱら極に近い高緯度地方においてである。そうしたなかにあって、「世界最北の不凍港」と称されるのがノルウェー北部のハンメルフェストである。ハンメルフェスト港は北緯70度39分に立地するものの、暖流(北大西洋海流)の影響で1月でも水温が氷点下にならない。 北緯68度25分に立地するノルウェー西岸(ヴェストフィヨルド)のナルヴィクもまた同じ理由で不凍港となっており、スウェーデン北部のキルナおよびイェリヴァーレの鉄鉱石は、夏季はスウェーデン国内の港を積出港として使用するものの、冬季のボスニア湾は凍結するためナルヴィク港を用いる。同様にアイスランド南部もまた、北大西洋海流の影響を受けて高緯度ながら温帯気候に属し、冬季も凍らない漁港が営まれる。沖合は潮目にあたる好漁場となっており水産業がさかんである。 日本海流(黒潮)・北太平洋海流の末流である暖流のアラスカ海流もまた、アメリカ合衆国アラスカ州の南岸を流れ、沿岸のヴァルディーズやアラスカ最古の街シトカは不凍港を有する。それに対し、北極海(ボーフォート海)に臨むプルドーベイには油田があり、アラスカ北岸のプルドーベイ港が一年のうち約9か月も凍結して使用できないため南岸のヴァルディーズを石油の積出港としている。両地間には800マイル(1287キロメートル)におよぶトランス・アラスカ・パイプラインが敷設され、石油輸送がなされている。 ロシアにあっては、北極海(バレンツ海)に臨むムルマンスク、太平洋(ベーリング海)に臨むペトロパブロフスク・カムチャツキー、日本海を臨むナホトカ(ボストチヌイ港)が不凍港となっており、前二者はやはり高緯度にあって、それぞれ海流の影響を受けている。 ウクライナのオデッサ、中国の大連、日本の釧路も重要な不凍港である。日本にあっては、釧路含めほとんどの港湾が不凍港であるが、北海道地方のオホーツク海沿岸では厳冬期に流氷がみられる。これは、世界的には最も低緯度で確認できる流氷となっている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「不凍港」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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