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【名詞】 1. default 2. nonperformance =========================== ・ 不 : [ふ] 1. (n-pref) un- 2. non- 3. negative prefix ・ 不履行 : [ふりこう] 【名詞】 1. default 2. nonperformance ・ 履行 : [りこう] 1. (n,vs) performance 2. fulfillment 3. fulfilment 4. discharge 5. implementation ・ 行 : [くだり, ぎょう] 【名詞】 1. (1) line 2. row 3. (2) verse
債務不履行(さいむふりこう)とは、債務者が、正当な事由がないのに債務の本旨に従った給付をしないことをいう〔我妻・講義IV98頁〕。英米法では契約法の場合には契約違反(breach of contract)がこれに相当する。 *以下、民法は、条数のみ記載する。 == 債務不履行の類型化 == 従来の通説は、債務不履行を履行遅滞、履行不能、不完全履行の3種類に分類する〔我妻ほか・ダットサン民法2,60頁、仁保ほか・帝国民法正解5巻140-141頁〕。 ;履行遅滞 :履行が可能なのにもかかわらず履行期を経過しても履行しない場合を履行遅滞という〔我妻ほか・ダットサン民法2,60頁、我妻・講義IV99頁〕。 ;履行不能 :AがBに売った建物が、契約後に滅失したときのように、債務の履行が不可能になることを、履行不能という。 ;不完全履行 :民法は履行遅滞(412条)や履行不能(415条後段)を債務不履行の典型として扱っているが、債務不履行はこれらに尽きるわけではない。履行遅滞や履行不能のように債務者による履行行為が無いという消極的容態によってではなく、債務者により積極的に履行行為がなされたが、それが債務の本旨に従った完全な履行ではなく、不完全な履行であったために債権者に損害が生じた場合を、不完全履行(独:Schlechterfüllung)、不完全給付ないしは積極的債権(契約)侵害(独:Positive Vertragsverletzung, Positive Forderungsverletzung)と称し、履行遅滞・履行不能とは別の、第三の債務不履行形態(態様)として位置づけられている〔奥田・債権総論152頁〕。比較法史的には、かつて立法及び学説に於て債務の不履行は債務者の遅滞及び履行不能を以て尽きるものとしていた為に、ドイツの学説の問題提起を受けて立てられた概念である〔石坂・債権2巻589頁, Staub,Die positiven Vertragsverletzungen und ihre Rechtsfolgen,1902. 岡松参太郎 「所謂「積極的債権侵害」ヲ論ス」 (法学新報16巻1-4号)〕〔もっとも、仁保ほか・帝国民法正解5巻141頁は、債務者が「不完全なる履行を為したる」場合につき、履行不能・履行遅滞の場合と別個の類型として扱っている。同書は1896年、スタウブの学説は1902年に発表されたものであるから、両者に直接の関係はない。〕。 :日本民法は「債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる」ものとしたから(415条)、このような場合も債務不履行に含まれることは疑いがない〔仁保ほか・帝国民法正解5巻141頁、鳩山秀夫『日本民法債権総論』改版129頁(岩波書店、1925年)〕。このために、あえて条文に無い概念を導入する必要はないとの批判もある〔平井宜雄・債権総論第2版4刷45頁(1996年)、潮見佳男『債権総論I 債権関係・契約規範・履行障害』第2版142頁(信山社、2003年)〕。 :しかし、履行遅滞や不完全履行と異なり、外見上は債務の履行があるため、債権が時効によって消滅しない限りは強制履行や解除を認めるべきかは問題であり、例えば落丁のある本を数年使用収益した後、新品の本の給付を請求するような場合など、一定の場合にはこれを制限すべき場合が生じる。その根拠として、瑕疵担保や信義則の規定などが挙げられている〔我妻・講義IV154頁〕。 従来、債務不履行には、この三つの態様のものがあるとされていたが、今日では、判例・学説は415条前段の債務の本旨に従った履行をしないというのには、契約の本来の給付義務に付随する説明義務・情報提供義務などの付随義務違反、更に雇用契約における使用者の労働者に対する安全配慮義務のように相手方の利益を保護すべきだという保護義務違反のような態様のものを含むと解している〔我妻ほか・ダットサン民法2,60頁〕。 なお、近時の有力説は以下のように分類する。 *本旨不履行 *履行不能 このうち本旨不履行については帰責事由は要件ではない(したがって無過失の抗弁は認められない。ただし不可抗力の抗弁は認められるという。)が、履行不能については危険負担との関係から帰責事由が要件となる(したがって無過失の抗弁は認められる。)。 判例は従来の通説に従って一般的に帰責事由を要件としており、民法現代語化の際にこれが条文化されそうになったが、前記有力説からの反対が強く、現在においても条文上は履行不能についてのみ帰責事由が抗弁として規定されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「債務不履行」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Breach of contract 」があります。
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