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不改常典 : ミニ英和和英辞書
不改常典[ふかいのじょうてん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ふ]
  1. (n-pref) un- 2. non- 3. negative prefix
: [かい]
 (n-suf) revision
: [とわ, じょう]
  1. (adj-na,n) eternity 2. perpetuity 3. immortality
: [のり]
 【名詞】 1. rule 2. law

不改常典 : ウィキペディア日本語版
不改常典[ふかいのじょうてん]
不改常典(ふかいのじょうてん、ふかいじょうてん)は、707年以降江戸時代までの日本の天皇の即位ので度々参照された法で、天智天皇が定めたとされるものである。天智天皇が「改めるまじき常の典と定め賜ひ敷き賜ひた法」というくだりから、学界で不改常典と呼ばれる。
この法は、天智天皇の事績をまとめて記した『日本書紀』には記されず、『続日本紀』以下で後の天皇が言及する形で現れる。その最初は元明天皇の即位詔で、以後江戸時代に至るまで度々言及された。史料に具体的内容が引かれていないが、非常に重要な法と位置付けられており、歴史学者の関心を引いている。内容に関しては、父から子に皇位を伝える直系皇位継承法説などおびただしい学説が立てられ、定説はない。
== 概要 ==
「不改常典」は法の正式名称ではなく、この法に言及した即位詔の一節からとられた歴史学用語である。桓武天皇以降は「不改常典」の語がなくなり、「天智天皇が初め定めた法」として言及される。歴史用語としては両方とも不改常典で通じる。
この法は『日本書紀』の天智天皇のくだりに見えず、『続日本紀』以降の諸書が引く天皇の詔の中で言及される。最初は元正天皇の即位詔で、他もすべて即位詔か、即位詔の中で引用される前天皇の譲位詔の中に現れる。しかしすべての即位詔が不改常典に触れるわけではない。どの詔もその具体的内容を示さず、前天皇の即位と統治は不改常典によるものだ、不改常典に従って皇位を伝えよ、天智天皇が定めた法に従って皇位につけ、といった文脈で伝えられる。
不改常典は、江戸時代から20世紀前半まで、大化改新の諸法か近江令のことだと考えられていたが、現在この説は支持されていない。歴史学者の間で最も有力なものは1951年岩橋小弥太が論文「天智天皇の立て給ひし常の典」で提唱した直系皇位継承法説で、兄弟継承を排して天皇の子への皇位継承を定めた法だとするものである。以後、これに対する修正や批判、新説の提唱が続き、多くの学説が並立する状況が続いている。皇位継承とする説としては他に、特に正妻から生まれた子に伝えるという嫡系皇位継承法説、譲位によって皇位を伝えるという譲位法説、皇太子を立てて継承させるという皇太子制説がある。皇位継承と無関係とするものには、藤原氏が皇室を輔佐することを定めた法だとする説、天皇を隋唐の皇帝のような専制君主と定めた法だとする説、皇室が代々統治する原則を定めたとする皇統君臨説などがある。
さらに、以上の諸説と組み合わさるものとして、時代による違いの解釈があり、まったく別の法があるとする説から、一つの法がしだいに形骸化したとする説まで濃淡がある。不改常典は本当は天智天皇の作ではなく、後に作られて天智制定と偽ったのだとする仮託説もある。不改常典をめぐる諸学説は、直接的には詔の一節の解釈にすぎないが、これを足がかりに当時の政治体制とその変化について異なる理解が開かれる。
* 大化改新の典法説 - 本居宣長
* 近江令説 - 三浦周行滝川政次郎、明治時代から1940年代までの通説
 * 桓武天皇以降だけが近江令とする説 - 早川庄八
* 皇位継承法説 - 1950年代以降の最有力説
 * 直系皇位継承法説 - 岩橋小弥太北山茂夫直木孝次郎篠川賢
 * 嫡系皇位継承法説 - 井上光貞
* 譲位継承法説 - 倉住靖彦
* 皇太子制説 - 森田悌
* 隋唐的専制君主説 - 水野柳太郎
* 皇統君臨の大原則説 - 田中卓

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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