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中本 哲史(なかもと さとし、英文表記:Satoshi Nakamoto)は、ビットコインプロトコルと参照ソフトウェアBitcoin-Qtを作ったことで知られる人物の称する氏名。本名かどうかも含め、当該人物の正体は不明。2008年、metzdowd.com内の暗号理論に関するメーリングリストに電子通貨ビットコインに関する論文を発表し始めた。2009年にはビットコインのソフトウェアをネット上に発表し、ビットコインの最初の採掘を行い、運用が開始された。 中本は他の開発者とともにビットコインのソフトウェアのリリースに寄与し続け、それは彼のチームやコミュニティとの接触を次第に控えるようになる2010年半ばまで続いた。この頃、彼は次第にソフトウェアのソースコードリポジトリの管理などをに任せるようになり、やがてプロジェクト管理までをも引き渡した。また同じ時期、 Bitcoin.orgなどといったいくつかのドメインの管理をビットコインのコミュニティ内のメンバーに引き渡した。 中本は約100万BTCを所有していると推測され、これは2013年12月時点の相場で11億USドルに相当する額である。 == 正体をめぐる推測 == 一見すると日本人男性の名前のようであるが、偽名であると考えられてきた。 に掲載された略歴によれば、中本とは(それがグループのペンネームなどではなく)個人の日系人男性であり、37歳であると主張している。中本の使う英語は流暢なものであり、また彼のビットコインに関する論文には日本語が使われていないことから、日本人であるという主張には懐疑的な見方がなされている〔。 彼のビットコインに関する最初のソフトウェアは共同作業によるものと推測されており、このために中本哲史とはあるグループが共有して使っている偽名であるという主張がある。 ソースコード中のコメントやフォーラムへの投稿に時おり使用されるイギリス英語の綴りやイディオム(例えば"bloody hard"といった表現)の使い方が中本、もしくは少なくとも中本であると主張するグループの一個人を推測させるヒントになるという見方もされ、その場合、イギリスに起源がある人物であると目された〔〔Benjamin Wallace: The Rise and Fall of Bitcoin , Wired, November 23, 2011〕〔。 スイスのプログラマーでコミュニティにおける活発なメンバーでもあるステファン・トーマスは、中本がビットコインのフォーラムに投稿した時間帯をグラフ化した(その数は500件以上にものぼる)。その結果、グリニッジ標準時で午前5時から11時のあいだ、ほぼ投稿がないことが明らかとなった。土曜日や日曜日でもこのパターンは当てはまっており、つまりこの時間帯は中本の睡眠時間なのではないかと推測された〔。もし中本が個人であり普通の睡眠習慣の持ち主であるなら、彼が住んでいるのはUTC−05:00もしくはUTC−06:00の地域と推測される。これは北米の東部標準時や中部標準時、中央アメリカの西インド諸島や南米が当てはまる。 中本の正体については様々な説が浮上した。ここでは有名なものを挙げる。 * 2011年、は雑誌ザ・ニューヨーカーの記事の中で、中本の正体について多くの可能性から、フィンランドの経済社会学者Vili Lehdonvirtaと、ダブリンのトリニティ・カレッジにて暗号理論を研究したアイルランドの学生Michael Clearに絞り込んだと主張した。両者ともに中本ではないと強く主張している。 * 2011年10月、調査ジャーナリストのは中本とはニール・キング、ウラジミール・オクスマン、そしてチャールズ・ブライのことであるとする間接証拠について言及。それには、2008年に彼らが出願した特許の出願書類が含まれていた。ペネンバーグが3人に接触した時、彼らは全員中本であることを否定した〔。 * 2013年5月、テッド・ネルソンは中本が日本の数学者望月新一であるとした。後に、ジ・エイジ紙に望月がこれを否定したという記事が掲載された。 * ジェド・マケーレブは中本の正体ではないかと言われたことがある。マケーレブはファイル共有サービス、の創始者であり、ビットコインの取引所マウントゴックス(Mt. Gox)の設立者でもある。かつてはビットコインを強力に支え、後に他のデジタル通貨・リップル(Ripple)を発展させるための会社リップル・ラボを共同設立した。 * テキサスのセキュリティー研究者であるダスティン・D.トランメルは中本であると推測されたが、公的に否定している。 * 2013年12月、は逆テキスト分析で関係があるとされた 。サボは非集中的な通貨システムに熱心で、「ビットゴールド」についての論文を出したこともある。これはビットコインの前身と考えられた〔。 * 2014年3月、ジャーナリストのは雑誌ニューズウィークの記事において、アメリカ合衆国カリフォルニア州のに住み、出生名がサトシ・ナカモトであった、現在64歳のドリアン・プレンティス・サトシ・ナカモトこそが話題の中本哲史であると述べた。しかし、ドリアン・ナカモトはこれを否定。ニューズウィーク誌は間違って引用したとし、彼がかつて関わっていた国家機密の技術系の仕事について「私はもはや関係ないので議論できない」と語った部分を誤用しているとした。また同日、中本がP2P財団に自身のアカウントで3年ぶりのメッセージを投稿したが、「私はドリアン・ナカモトではない」と述べている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「中本哲史」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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