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久留里[くるり]
久留里(くるり)は千葉県君津市の内陸部にある大字。房総半島の中央部、小櫃川の中流に位置し、江戸時代の久留里藩の城下町として、また近年は名水の里としても知られ、2008年6月、環境省から平成の名水百選に選定された。 == 地理 == 大字久留里は、久留里城の本丸及び二の丸が築かれた丘陵を中心に西麓の三の丸と北側の安住(あんじゅう)地区とからなる。安住地区は久留里市場の上町及び新町に隣接し、これらと一体の市街地を形成している。これに対して三の丸地区は、東へ大きく蛇行する小櫃川(旧流路)が丘陵を穿った急崖によって城下町とは切り離された南の段丘上に位置する。典型的な山城である本丸・二の丸に対して、江戸時代中期に入封した黒田直純は日常の機能を山麓の三の丸に集中させ藩の支配の中心とした。内堀に囲まれた三の丸の外側、北の腰曲輪と西の外曲輪には侍屋敷が置かれたが、ここは「久留里」地籍には属さず、「浦田」地籍(1889年までの浦田村)に属する。大手門は北の城下町(久留里市場)ではなく、外曲輪から西の浦田村の方に開いていた。商業地区を中心として市街地を形成している久留里市場及び安住地区に対して、三の丸及び腰曲輪、外曲輪の多くの部分が廃藩後は農地となっており、城下町としての景観はほとんど残されていない。 久留里城には「雨城」・「霧降城」という別名があるが、水の豊富な城として知られていた。久留里城下は清澄山系に降る大量の雨を背景に豊富な地下水に恵まれ、江戸時代末期から明治初期にかけてこの地域で改良が加えられた井戸掘りの工法である上総掘りによって掘られた掘り抜き井戸が多く分布し、この水を利用して酒造業が立地している。近年はこの水を観光資源として、「名水の里」であることが宣伝されている。また、この地方に自生するクロモジを材料に、藩士の内職として始まったとされる「雨城楊枝」が県の伝統的工芸品に指定されている。 大字久留里は久留里城を含む武家屋敷地区であり、市街地は旧城下町の商業地区である久留里市場と繋がっている。久留里を冠称する大字は久留里市場の他に久留里大谷・久留里大和田がある。また明治22年(1889年)の町村制施行に際して、この久留里市街地を中心に周辺の村々を合併して成立した旧・久留里町(1889年~1954年)の区域を「久留里地域」と呼ぶこともある。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「久留里」の詳細全文を読む
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