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久野 暲(くの すすむ、1933年(昭和8年)8月11日 - )は、日本の言語学者、著作家。1964年にハーバード大学で博士号を取得して以降、同大学で言語学研究に従事する。同大学における言語学の名誉教授。 英語学者・愛知県立女子大学学長となった久野朔郎の子として東京に生まれる。 服部四郎の指導のもと、1956年東京大学文学部言語学科卒、58年同大学院修士課程修了〔。大学院修了後は研究の焦点をドラヴィダ語に当てた。 その後、初期のチョムスキー信奉者の一人である黒田成幸の影響を受け、変形文法の研究をはじめる。 1960年、機械翻訳のプロジェクトのためハーバード大学に着任した。 談話と機能の面から統語論を論じる機能的構文論 (functional sentence perspective) を確立したことで知られる。業績としては、日本語の動詞の統語論、とりわけ状態動詞(:en:Static verb)の統語的・意味的特徴の分析〔Matsuo Soga, ''Tense and Aspect in Modern Colloquial Japanese'' (Vancouver: University of British Columbia Press; ISBN 0-7748-0158-1), pp. 85–86. にまとめられている。〕、格標示との意味的相関の研究〔入手しやすい文献としては Natsuko Tsujimura, ''An Introduction to Japanese Linguistics'' (Cambridge, Mass.: Blackwell, 1996).〕がよく知られている。研究上の興味は幅広く、久野の記念論文集を編纂した高見健一は「統語論、意味論、語用論はもとより、計算言語学、談話研究、漢字処理にまで及ぶ」〔"Preface" to Ken-ichi Takami ''et al.,'' eds, ''Syntactical and Functional Explorations,'' p. vii.〕と評している。 ==The Structure of the Japanese Language== 日本語の文法についての革新的文献となった ''The Structure of the Japanese Language'' は久野の代表的な研究書である。同書で久野は、それまでの日本語文法が見過ごしたか説明できなかった現象に取り組み、日本語を日本語たらしめ、その習得に至るまでに把握すべきもっとも重要な性質のいくつかを分析した。その一つにSOV型の語順がある。久野は日本語の語順がSOV型であることが、次の4つの日本語の特徴と関連していることを論じた〔Susumu Kuno, ''The Structure of the Japanese Language'', MIT Press, 1973,p.4〕 。 # 前置修飾ではなく後置修飾であること # 構文木が左再帰的に深まること # 等位接続における動詞句の削除パターンが逆向きであること # 疑問詞を文の先頭に置かなければならないという制約がないこと 久野は変形文法の考え方を用いて、通常の文法規則が適用できない例を挙げ、伝統文法が伝えてこなかった日本語文法の側面を明らかにした。このような意味で、革新的な「非文法的文の文法」 (grammar of ungrammatical sentences) を提示したのが同書といえる 〔Susumu Kuno, ''The Structure of the Japanese Language'', ibid. p.ix〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「久野すすむ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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