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乙子狭姫 : ミニ英和和英辞書
乙子狭姫[おとご]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [おつ, きのと]
  1. (adj-na,n) 2nd in rank 2. second sign of the Chinese calendar
乙子 : [おとご]
 (n) last child
: [こ, ね]
 (n) first sign of Chinese zodiac (The Rat, 11p.m.-1a.m., north, November)
: [ひめ]
 【名詞】 1. princess 2. young lady of noble birth 

乙子狭姫 : ウィキペディア日本語版
乙子狭姫[おとご]
乙子狭姫(おとごさひめ)は島根県石見地方の伝説に登場する女神。単に狭姫とも。母神は古事記に登場するオオゲツヒメ
== あらすじ ==
太古の昔、赤雁に乗って穀物の種を伝えた狭姫という女神がいた。狭姫の母神はオオゲツヒメといい、身体のどこからでも食物を出すことができた。あるとき、心の良くない神がオオゲツヒメの身体にはどんな仕掛けがあるのかと面白半分にヒメを斬ってしまった。
息も絶え絶えなオオゲツヒメは狭姫を呼び、「お前は末っ子で身体も小さい。形見をやるから安国へ行って暮らすがよい」と言って息を引き取った。と、見る見るうちにオオゲツヒメの遺体から五穀の種が芽生えた。狭姫は種を手にすると、そこにやって来た赤雁の背に乗って旅だった。
海を渡って疲れた赤雁が高島で休もうとしたところ、大山祇(オオヤマツミ)の使いの鷹が出てきて「我は肉を喰らう故、五穀の種なぞいらん」と狭姫を追い払った。続いて須津の大島で休もうとしたところ鷲が出てきて同じように追い払った。
しかたなく力を振り絞った狭姫と赤雁は鎌手大浜の亀島で一休みして、そこから赤雁の天道山に降り立った。更に比礼振山まで進むと、周囲に種の里を開いた。神も人も喜び、狭姫を種姫と呼んであがめた。
ある日のこと、種の里を出た狭姫は巨人の足跡に出くわした。土地のものに聞くと、大山祇巨人のことだという。巨人が迫って、土地の者は逃げ出した。狭姫も逃げ惑ったが、小さい身体ゆえどうにもならない。命からがら逃げ帰った狭姫だが、巨人たちがいると安国を造ることはできないと考えた。
赤雁の背に乗って出かけた狭姫だったが、とある山に空いた大穴からいびきが聞こえてくる。「そこにいるのは誰か?」と問うと、「自ら名乗らず他人の名を訊くとは何事だ」と返ってきた。声の主はオカミ(淤加美神)といって大山祇の子だった。恐ろしくてならない狭姫だったが、勇気を振り絞って、では直接お会いしたいと強い調子で申し出ると、オカミは「我は頭が人で体が蛇だから神も人も驚いて気を失うだろう。驚かすのはよくないことだ。それより我が兄の足長土に会い給え」と言って急に調子を改めてしまう。
狭姫は考えた。オカミは雨を降らす良い神だが、大山祇巨人と足長土はどこかに追いやらなければならない。
赤雁に乗って国中駆け回った狭姫は三瓶山の麓を切り開いて巨人たちを遊ばせることを思いつく。
帰路についた狭姫は巨人の手長土に出会った。「夫はいるか?」と問うと、「かような長い手ですもの」と手長土は自らを恥た。「私も人並み外れたちびだけど、種を広める務めがある。御身にも務めがあるはず」といって、狭姫は足の長い足長土を娶せた。手の長い手長土と足の長い足長土は夫婦で力を合わせて幸せに暮らしたという。オカミは後に八幡の神と入れ替わって岡見にはいないが、今でも時化の前には大岩を鳴らして知らせてくれるという。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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