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九四式三十七粍砲(きゅうよんしきさんじゅうななみりほう)は、1930年代初中期に大日本帝国陸軍が開発・採用した対戦車砲(速射砲)。俗称は九四式三十七粍速射砲(きゅうよんしきさんじゅうななみりそくしゃほう)。 開発当初から発達しつつある装甲戦闘車両への対処に主眼が置かれており、帝国陸軍初の本格的な対戦車砲として日中戦争(支那事変)・ノモンハン事件・太平洋戦争(大東亜戦争)で使用された。 == 開発経緯 == 本砲登場以前の37mm級火砲としては、歩兵砲である狙撃砲や十一年式平射歩兵砲が存在した。後者はフランスのプトー37mm歩兵砲に影響され、1920年代初期に開発・採用された口径37mmの歩兵砲であり、直射による機関銃陣地(銃座)撲滅を目的としていた。十一年式平射歩兵砲は砲身長(口径長)28口径で初速450m/秒と、比較的砲身が短いため初速も遅かったが、本砲の使用する十二年式榴弾は当時の装甲車両に対し十分な威力を持っていた〔「11年式平射歩兵砲弾薬筒外四点仮制式制定の件」10~11頁。 上資料によれば距離600mで「英国製8号型タンク」のニッケル・クローム装甲15mm、距離1,000mで「英国製A型タンク」の同装甲12mmを貫徹するとある。〕。 また、1931年(昭和6年)12月に伊良湖試験場にて現制歩兵火器の戦車・掩体・鉄条網など各種目標に対する効力試験を実施したが、試験では供試されたルノー甲型戦車に対し13mm機関砲の鋼心実包はもとより37mm以上の火砲の徹甲弾や榴弾、更には歩兵砲のような低初速の火砲ですら効力を有することが認められた〔「陸軍技術本部試験報告集 歩兵火器弾丸効力試験報告 等」7頁。 上資料ではルノー甲型に対する実射を行った火砲として十一年式平射歩兵砲、九〇式五糎七戦車砲、保式十三粍機関砲、試製七糎歩兵砲、試製七糎戦車砲が挙げられている。〕。一方で日本製鋼所製の鋼板(「ニセコ鋼板」)に対する侵徹試験によって供試戦車の装甲板は新型のものに比べて著しく劣っていることが認識され、将来出現する新型戦車に対して十分な効力を持つ対戦車砲徹甲弾の研究促進を要するとの判決を得た〔『陸軍技術本部試験報告集]歩兵火器弾丸効力試験報告 等』8頁。〕。また1932年(昭和7年)11月にはルノー乙型戦車及び八九式軽戦車の装甲板の各種弾丸に対する抗力試験を実施した結果、より新型の戦車に対しては7.7mmや13mm等の小口径火器の徹甲弾や平射歩兵砲の十二年式榴弾ではそれほど効力を期待できないことが判明した〔「陸軍技術本部試験報告集]歩兵火器弾丸効力試験報告 等」200~218頁。 資料では7.7mm弾で12mm厚、13mm弾で20mm厚以上の装甲板に対しては効果を期待できず、更に装甲板が傾斜している場合はより効果が小さくなる。また平射歩兵砲十二年式榴弾は炸裂による装甲接合部の緩解等の若干の外部効力しか有さないと書かれてある(206~207頁)。〕。これらを経て陸軍では装甲板の研究を進めると共により大きな弾丸効力を持つ火砲及び弾丸の開発を進めた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「九四式37mm速射砲」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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