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乳海攪拌(にゅうかいかくはん)は、ヒンドゥー教における天地創造神話。 == 概要 == ドゥルヴァーサは厳しい修行を経て偉大なリシ(賢者)となった。彼は非常に短気で怒りっぽく、礼を失した者にしばしば呪いをかけたが、丁寧に接する者には親切であった。ある時、人間の王たちが彼から助言を受けるべく地上に招き、美しい花で造った首輪をかけて手厚くもてなしたところ、ドゥルヴァーサはとても喜び、王と王国を祝福した。その後彼はこの美しい花輪を与えるべくインドラを訪ね、その首にかけて祝福した。インドラたちは彼を丁寧にもてなし滞りなく送り出した。その直後、インドラが乗る象が花輪に興味を示したため何気なく与えたが、戻ってきたドゥルヴァーサがそれを見て激怒し、インドラたち神々に呪いをかけて能力を奪ってしまった。この機をとらえてアスラ(阿修羅)が天へ侵攻してきたが神々はなすすべがなかった。インドラはシヴァ、ブラフマーに助けを求めたが、ドゥルヴァーサの呪いは彼らにも解けない。ヴィシュヌが、不老不死の霊薬「アムリタ」を飲めば失われた力を取り戻せると言い、それを作り出すために乳海攪拌を実行することにしたが、神々だけでは不可能な作業であり、アムリタを半分与えることを条件にアスラの協力も求めた。 ヴィシュヌ神の化身である巨大亀クールマに大マンダラ山を乗せ、大蛇ヴァースキを絡ませて、神々はヴァースキの尾を、アスラはヴァースキの頭を持ち、互いに引っ張りあうことで山を回転させると、海がかき混ぜられた。海に棲む生物が細かく裁断されて、やがて乳の海になった。ヴァースキが苦しんで口からハラーハラという毒を吐くと、シヴァがその毒を飲み干したため事なきを得たが、彼の喉は毒によって青く変色した。 さらに1000年間攪拌が続き、乳海から白い象アイラーヴァタや、馬ウッチャイヒシュラヴァス、牛スラビー(カーマデーヌ)、宝石カウストゥバ、願いを叶える樹カルパヴリクシャ、聖樹パーリジャータ、アプサラスたち、ヴィシュヌの神妃である女神ラクシュミーらが次々と生まれた。最後にようやく天界の医神ダヌヴァンタリが妙薬アムリタの入った壺を持って現れた。 しかしアムリタをめぐって神々とアスラが争い、一度はアムリタを奪われかけたが、ヴィシュヌ神は機転を利かせて美女に変身し、アスラたちを誘惑した。アスラたちは美女に心を奪われ、アムリタを手渡した。その結果、アムリタは神々のものとなったが、神々がアムリタを飲むさいにラーフというアスラがこっそり口にした。それを太陽神スーリヤと月神チャンドラがヴィシュヌ神に伝えたので、ヴィシュヌは円盤(チャクラム)でラーフの首を切断した。ラーフは首から上だけが不死となり、頭は告げ口したスーリヤとチャンドラを恨み、追いかけて食べようと飲み込むが体がないためすぐに外に出てしまう(日食・月食)。その体ケートゥとともに凶兆を告げる星となった。 その後、神々とアスラの戦いはますます激しさを増したが、ヴィシュヌ神が心に日輪のごとき武器を思い描くと、天からスダルシャナというチャクラムが現れた。それをヴィシュヌ神が投げるとアスラを群れごと焼き、あるいは切り裂いた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「乳海攪拌」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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