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事例ベース推論(じれいベースすいろん、)は、過去の類似問題の解法に基づいて類推して新たな問題を解く推論の手法またはその過程である。自動車整備士が以前にいじったことがある自動車の似たような故障を思い出してエンジンの修理をするのは、一種の事例ベース推論である。弁護士が裁判で判例に基づく主張を展開するのも、一種の事例ベース推論である。技術者が自然界にあるものを模倣するのも(生体工学)、自然を問題解決のデータベースとしていると見ることができる。事例ベース推論は類推を突き詰めた例と言える。 事例ベース推論は自動推論の強力な手法というだけではなく、人間が日々の問題解決のために広く行っていることである。この考え方を推し進めると、全ての推論は過去の事例に基づいているとも言える。これは、認知科学のプロトタイプ理論の考え方である。 == プロセス == 事例ベース推論は自動推論のための4段階のプロセスとして定式化された〔Agnar Aamodt and Enric Plaza, "Case-Based Reasoning: Foundational Issues, Methodological Variations, and System Approaches," ''Artificial Intelligence Communications'' 7 (1994): 1, 39-52.〕。 # 検索: 問題が与えられると、記憶の中からそれを解くのにふさわしい事例を検索する。1つの事例は、問題とその解法からなり、その解法がどのようにして導き出されたかという注釈があるのが一般的である。例えば、フレッドがブルーベリーパンケーキを作ろうとしているとする。初心者の場合、彼が思い出せる最もふさわしい事例は普通のパンケーキをうまく作った記憶である。パンケーキの作り方とその中の数々の判断の根拠がフレッドの検索した事例ということになる。 # 再利用: 検索された事例から与えられた問題の解法へのマッピングを行う。新しい状況に合うよう、解法を適用される必要があるかもしれない。パンケーキの例で言えば、フレッドは検索した事例にブルーベリーをどう追加するかを考えなければならない。 # 修正: マッピングができたら、その新しい解法を実際に(あるいはシミュレーションで)試して、必要ならば改良を加える。例えば、フレッドはブルーベリーをバターに混ぜることにしたとする。すると予期しない副作用としてバターが青くなった。それを踏まえると、バターをフライパンに投入してからブルーベリーを混ぜるという改良/修正に至る。 # 記憶: 新たな問題にうまく適応した解法が得られたら、その経験を新たな事例として記憶する。フレッドはあらたにブルーベリーパンケーキのレシピを記憶し、将来のパンケーキ作りにその事例を生かすことができる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「事例ベース推論」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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