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五塩化リン : ミニ英和和英辞書
五塩化リン[ごえんかりん]
phosphorus pentachloride
===========================
: [ご]
  1. (num) five 
塩化 : [えんか]
 【名詞】 1. chloride 
: [か]
 (suf) action of making something
五塩化リン : ウィキペディア日本語版
五塩化リン[ごえんかりん]

五塩化リン(ごえんかリン、phosphorus pentachloride)は化学式 PCl5 で表される無機化合物である。リンの塩化物としては三塩化リン塩化ホスホリルと並んで重要な化合物である。合成化学において塩素化剤として用いられる〔Burks, Jr., J. E. “Phosphorus(V) Chloride” in Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis (Ed: L. Paquette) 2004, J. Wiley & Sons, New York. .〕。刺激臭を持つ無色の固体であり、水と反応する。
==構造==
気体および融解液の五塩化リンは三方両錐形構造(tbp構造、3回対称の三角錐を2つ持つ''D''3h構造)の単量体をとっているが、溶液中での構造は溶媒に依存する〔Suter, R. W.; Knachel, H. C.; Petro, V. P.; Howatson, J. H.; S. G. Shore, S. G. ”Nature of Phosphorus(V) Chloride in Ionizing and Nonionizing Solvents” Journal of the American Chemical Society 1973, volume 95, pp 1474 - 1479; 〕。
極性溶媒の希薄溶液中では次の平衡が成立する。
:PCl5 \overrightarrow Cl
高濃度になると、不均化を含む次の平衡がより顕著となる。
:2 PCl5 \overrightarrow
カチオンの PCl4+ とアニオンの PCl6 はそれぞれ正四面体構造、正八面体構造を取る。リン塩化物は常に原子価殻電子対反発則に従う。
二硫化炭素四塩化炭素などの非極性溶媒中では、PCl5の気体、液体状態でみられる ''D''3h 構造が保たれている〔D. E. C. Corbridge "Phosphorus: An Outline of its Chemistry, Biochemistry, and Technology" 5th Edition Elsevier: Amsterdam 1995. ISBN 0-444-89307-5.〕。
かつて五塩化リンは溶液中で二量体 P2Cl10 として存在していると考えられていたが、この説はラマン分光法により否定された。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「五塩化リン」の詳細全文を読む




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