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戦時国際法(せんじこくさいほう、Jus in Bello、)は、戦争状態においてもあらゆる軍事組織が遵守するべき義務を明文化した国際法であり、狭義には交戦法規を指す。戦争法、戦時法とも言う。ただし現代では国際連合憲章により法的には「戦争」が存在しないため、武力紛争法、国際人道法()とも呼ばれる。ここでは戦時国際法という用語を用いる。戦時国際法は、戦時のみに適用されるわけではなく、宣戦布告のされていない状態での軍事衝突であっても、あらゆる軍事組織に対し適用されるものである。 == 概説 == 武力行使に訴える権利および手続を規制する国際法をユス・アド・ベルム(jus ad bellum 開戦法規、法的規制)、武力紛争において当事国の行動を規制する国際法をユス・イン・ベロ(jus in bello 交戦法規、武力紛争法規)と呼ぶ。これらのうち武力紛争において適用される国際法、すなわちユス・イン・ベロを戦時国際法と呼び、ユス・アド・ベルム上の法的評価とは関係なく、敵味方双方に平等に適用される。すなわち、侵略行為に対する違法性はユス・アド・ベルムによって判断されるが、侵略・防衛どちらの勢力にも平等的に適用されるのがユス・イン・ベロ(戦時国際法)である。 これでは法理的な矛盾が発生するが、戦闘における非人道的な行為の被害を最小化するためにもこれは国際的に受け入れられている。第一次世界大戦後の戦争違法化の流れのなかで、戦時国際法は意味をなさないとの見解もあったが、国家間における武力衝突がなくなったわけではなく近年では「国際人道法」として再構成されている。 戦時国際法においては「軍事的必要性 (Military necessity) 」と「人道性 (Humanity) 」の原則、法的基盤がある〔「軍事的考慮」と「人道的考慮」とも言う。小寺彰、岩沢雄司、森田章夫編『講義国際法』(有斐閣、2006年)468項〕。軍事的必要性とは敵を撃滅するために必要な戦闘行動などの軍事的措置を正当化する原則であり、人道性とは適切な軍事活動には不必要な措置を禁止する原則である。 戦時国際法の内容は非常に幅広く、第1に戦時国際法が適用される状況についての規則、第2に交戦当事国間の戦闘方法を規律する規則、第3に戦争による犠牲者を保護する規則、第4に戦時国際法の履行を確保する規則、で主に構成される。具体的には開戦・終戦、交戦者資格、捕虜条約の適用、許容される諜報活動、害敵手段の禁止・制限、死傷者の収容・保護、病院地帯、非武装地帯などについて定めている。ハーグ陸戦の法規慣例に関する条約、ジュネーヴ条約などが有名。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「戦時国際法」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Law of war 」があります。 スポンサード リンク
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