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人権(じんけん、human rights)とは、人間としての権利のことである。人権思想において人間が人間として生まれながらに持っていると考えられている社会的権利のこと〔広辞苑 第五版〕。 == 概説 == 広辞苑では、実定法上の権利のように剥奪されたり制限されたりしない〔、と記述されている。 各国に人権を保障する成文規定があり、その多くはその国の憲法の一部を構成している。日本国憲法にも人権についての記述・規定が存在する。#日本における人権 法的には(実定法を越えた)自然権としての性格が強調されて用いられている場合と、憲法が保証する権利の同義語として理解される場合がある、ということである〔『岩波 哲学思想事典』岩波書店 1998年 p.813 樋口陽一 執筆「人権」〕。また、もっぱら <国家権力からの自由> について言う場合と、参政権や社会権やさまざまな新しい人権を含めて用いられることもある〔〔「かように <人権> の理解は一様ではないが、西洋近代の個人主義思想を多かれ少なかれ基本に置いている点では共通性がある」と樋口陽一は説明した。人権を尊重しない政権や、アラブやアフリカ、アジアなどでは、文化の相違などとして反発することがある。だが、一般的に言えば文化の多元性を尊重しつつも、人権価値の普遍性を擁護するという立場が欧米ではコンセンサスを得つつある。(『岩波 哲学思想事典』岩波書店 1998年 p.813 樋口陽一 執筆「人権」)〕。 人権に関わる要求や宣言の歴史を見てみると、イギリスでは、1215年にマグナ・カルタ、1628年に権利請願、1679年に人身保護法、1689年に権利章典があり、これらは封建領主が自分たちの要求を国王に対して認めさせたものであったり、イギリス人の伝統的な権利や自由の尊重を求めたものである。絶対主義的で暴力的な権力から自分たちを護るため、個人の権利を護るためにこれらの要求が行われたわけである。これが近代的な人権思想誕生へとつながり、18世紀に市民革命が起き、1776年に米国でバージニア権利章典、1789年には(フランス革命でフランスの暴力的な絶対王政を倒しつつ)『人間と市民の権利の宣言』が成立した。 人権を尊重すべきである、という理念はおおむね共有されてはいるが、現実の世界で実際にその理念どおりの状態を実現するということは、決してたやすいことではない。歴史を見ても分かるように、人権を侵害しようとする暴力的な者たちは絶えず現れ、そうした者たちと絶えず闘うことによって、ようやく実現するものなのである。また、いかなるものが人権を意味するかについて多様な考えがあり、その実現を難しくしている。そのため、現代でも人権が護られず悲惨な目にあっている人々が多数いる。今でも世界には、人々に暴力を振るったり虐殺してしまうなど、人々を苦しめるような政権・政府が多数存在しているのである。また細やかに見れば、先進諸国においても人権が守られず苦しんでいる人々はまだまだ多数存在する。より現代的に人権を考えるには、社会的かつ人的関係における実体的自己実現性の平等への視点が重要であり、形式的かつ数量的な平準化では人権は実現できないという事実を歴史的にも理解することである。近時は、国内において参政権に関して議論されることは多いが、これは、人権に胚胎する平準化を社会性においてどのように考えるべきかの契機ともなっている。例えば、産業や社会的分業は平準化は不可能であり、これらが地域特性の基盤となって現実的社会を構成している場合に、単なる数量的な平準化による形式的人権観が本来的な基本的人権を確保し得るかという疑問である。 近年では、国際連合の主催によりウィーンで1993年6月に世界人権会議が開かれ、その成果は「ウィーン宣言及び行動計画」としてまとめられた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「人権」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Human rights 」があります。 スポンサード リンク
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