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砥石(といし)は、金属や岩石などを切削、研磨するための道具。砥石の粒子の大きさにより、荒砥(あらと)、中砥(なかと、なかど、ちゅうど)、仕上げ砥(しあげと、しあげど)の3種に大別され、さらに天然のものと人造のものとがある。人造砥石は19世紀にアメリカ合衆国で製造が開始された。均質であり入手も容易であることから、現在では広く流通している。天然物は、刃物へのアタリが柔らかいことなどを理由に、依然として愛好者が多い。天然砥石の原料は主に堆積岩や凝灰岩などであり、荒砥は砂岩、仕上げ砥は粒子の細かい泥岩(粘板岩)から作られ、中でも放散虫の石英質骨格が堆積した堆積岩が良質であるとされる。人造砥石の原料は主に酸化アルミニウム及び炭化ケイ素であり、製法と添加物によりそれぞれ数種以上の特性に分かれる。その他ダイヤモンドや立方晶窒化ホウ素、ガーネットなども原料として用いられる。 日本神話上には、砥石の名を冠した神名があり、鏡作部の遠祖の神たる「天糲戸(アマノアラト)」がこれにあたる〔角林文雄 『アマテラスの原風景 原始日本の呪術と信仰』 塙書房 2003年 p.133〕。文字通り、アラトは荒砥を意味し(アラトの子神はヤタノカガミを製作)、古代鏡作りにおいて砥石が重用された。8世紀成立の『日本書紀』に記述があるように、アラト=荒砥といった言葉は古くから用いられていることがわかる。 == 用途 == 主に、金属製の刃物の切れ味が落ちた際に、切断機能を復元するために使用される。また、用途によって種類も多くある。人手で刃物を研ぐ砥石は長方形が多いが、動力を利用するものだと厚みのある円形で、外周端面を使って研ぐものと円形の面を使い水平に回転させて研ぐものがある。砥石は後述のように人類の初期からの道具であるが、現代では切削工具(バイト、ドリル等)では得られない加工精度を得るための工具として重用されている。 砥石は、これらの原料の種類、粒度(原料の粗さ)、結合度(原料を結びつける強さ)、組織(原料の密集度)、結合材(粉末の原料を固める材料)などの要因を選定する事により、あらゆる金属、及び非金属を高精度に研削することができる。 古来から石器や金属器の加工に用いられていることで知られるが、漆器などの漆芸にも砥石が用いられ〔佐々木英 『漆芸の伝統技法』 理工学社 1986年、諸々の技法が紹介されている(有機物である漆器においても、荒砥・中砥・仕上げ砥を使い分けている)。〕、用途は硬いもの(無機物)の加工に限らない(漆芸家にとっても必需品である)。 律令時代において兵士が準備すべき道具の一つとして、「砥石一枚」と記述されている(大刀などを研ぐため)〔笹山晴生 『古代国家と軍隊 皇軍と私兵の系譜』 中公新書 1975年 p.64〕。日本に限らず、軍隊で刀剣が用いられていた時代では、砥石は軍事必需品である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「砥石」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Sharpening stone 」があります。 スポンサード リンク
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