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『会津の釣り宿』(あいづのつりやど)は、つげ義春が1980年(昭和55年)5月に「カスタムコミック」(日本文芸社)に発表した25頁からなる短編漫画作品〔『つげ義春漫画術』(上・下)(つげ義春、権藤晋著 1993年ワイズ出版)ISBN 4-948-73519-1〕。 == 概要 == 作品の冒頭は「旅に出て旅心をくじかれるとつくづく情けなくなる」という文句で始まる。主人公が友人とともに奥会津に釣りに出かけたときの話をユーモラスに描いた作品で、つげ義春の『旅もの』の系列に属する作品であるが、これをもって『旅もの』は終わりを告げる。前作は2ヶ月前に発表した『窓の手』で、再び作風が突然変わる。これについて、つげは権藤晋との対談の中で「ぼくは、表現者意識なんてものはないんですよ」と述べている。 全編にちりばめられたユーモアの卓抜さでは、つげ義春の作品でも類を見ない。ストーリーはつげ義春の全くの空想の産物ではあるが、巨岩が洪水の川を上流に向かって遡流していくという話は、つげが釣りの本の中で読んだもので、激流に流された小石の砂利が岩の下に流れ込むと岩は歯車のように回転しながら、上流へ上っていくのだという。つげは、会津川口という場所へ旅行をした際に、台風で流された大岩を多数目にし、岩に直撃されて土台を無くした床屋を実際に目撃した。自分で撮影した直径2-3mの岩が床屋の裏側に激突している写真を保有しており、その写真をヒントに描いたが、床屋の娘は空想である。のちに床屋の娘のモデルなる女性が実在すると主張する、つげファンの言葉を検証するため権藤は現地を訪れたが、対談でつげはモデルはいないと断言している。しかし、作品中で持ち込んだ酒を隣室に隠したという逸話は実際に体験した話がもとになっており、場所は作品の舞台である玉梨温泉ではなく南会津の木賊温泉であった。旅に同行したのは友人の立石慎太郎である〔高野慎三『つげ義春を旅する』(ちくま文庫 2001年4月10日発刊)P37-P45〕。 作品の最後に、「古い旅の日記をみると、このときの旅は時昭和45年5月27日であった」とある〔「必殺するめ固め」つげ義春漫画集(晶文社 1981年5月30日)〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「会津の釣り宿」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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