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(n) romance (fiction) =========================== ・ 伝 : [でん, てん, つたえ] 【名詞】 1. legend 2. tradition 3. life 4. biography 5. comment 6. communication ・ 伝奇 : [でんき] (n) romance (fiction) ・ 伝奇小説 : [でんきしょうせつ] (n) romance (fiction) ・ 小説 : [しょうせつ] 【名詞】 1. novel 2. story ・ 説 : [せつ] 1. (n,n-suf) theory
伝奇小説(でんきしょうせつ) 主に中国の唐宋時代に書かれた短編小説のこと。六朝の志怪小説より発展して成立した。唐代伝奇、唐宋伝奇とも呼ぶ。これらを元にした後代の作品を呼ぶこともある(芥川龍之介「杜子春」など)。 ==六朝志怪から唐宋伝奇へ== === 成立と発展 === 六朝時代の志怪小説では超自然的な怪異譚や逸話を記録として梗概程度に記していた、もともとの「小説(とるにたらないものがたり)」的なものだったのが、唐代になると作者の創作した複雑な物語となり、文章も修辞に凝ったものになった。その過程で、志怪のころの『怪』を描くことが必ずしも必須の条件ではなく、「鶯鶯伝」や「李娃伝」のように、現実に根ざした、「怪」の登場しない作品群(山中遊郭で妓女とよしみを通じる「才子佳人小説」)もあらわれるようになった。その点で、唐のこれらの伝奇小説は、その後の中国文学における白話作品のさきがけになっていった。 古来より論語で「子不語怪力乱神」と述べられた影響が長く残っていたが、唐代にはこれへの拘泥は薄くなり、詩人の顧況は孔子の意は「子示語」であると述べて〔戴孚「広異記」への序〕、怪異譚譚の創作に共感を示した。唐代最初期の作品と言われる王度「古鏡記」では古鏡の霊験による妖怪退治の話が述べられる。安史の乱以後の中唐の頃には、陳玄祐、沈既済、李公佐、元稹、陳鴻、白行簡、蒋防など多くの伝奇小説が書かれた。晩唐には牛僧孺の「玄怪録」、李復言「続玄怪録」、薛漁思「河東記」などの作品集も編まれるようになった。「玄怪録」に収められた「杜子春」は、玄奘の伝えたインドのワーラーナシーの伝説を翻案したものの一つで、唐代における名作とされる。魚に転成する話である薛偉「魚服記」も後世に様々に翻案されている(明代の馮夢竜「薛録事魚服証仙」、江戸時代の上田秋成「雨月物語」など)。『遊仙窟』作者の張文成の子孫の張読による、『宣室志』に収められた「李徴」は、人が虎に変身する話で、明代の『古今説海』などの選集では李景亮「人虎伝」とも伝えられており、これを元にして中島敦「山月記」が書かれた。皇甫枚「緑翹」は森鴎外「魚玄機」となった。 陳鴻と白居易は口承文芸に興味を持ち、「長恨歌物語」では陳鴻が散文部分、白居易が韻文部分(長恨歌)を担当した。この詩と小説にる構成は当時の作品の典型でもある。 宋代には口承文芸近い口語文章語で書かれた小説が出現する。また商業の発展にともなって商人の生活も多く描かれるようになった。洪邁は唐代の伝奇小説が唐詩に劣らずすぐれたものであることを認め、怪異譚の収集や執筆を行い「夷堅志」にまとめている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「伝奇小説」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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