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グリセミック指数 (glycemic index) とは、食品ごとの血糖値の上昇度合いを間接的に表現する数値である。1981年にデヴィッドJ.ジェンキンズ博士らが、食品による血糖値の上がり方の違いを発見し提唱した〔Jenkins DJ et al. "Glycemic index of foods: a physiological basis for carbohydrate exchange" Am J Clin Nutr 34(3), 1981 Mar, pp362-6. PMID 6259925〕。グリセミック・インデックスまたはGI値とも表現される。後に、炭水化物の量も考慮したグリセミック負荷が考案されている。 == 測定基準 == 食品の炭水化物50グラムを摂取した際の血糖値上昇の度合いを、ブドウ糖(グルコース)を100とした場合の相対値で表す。血糖値の時間変化をグラフに描き、その曲線が描く面積によってGI値を計算する。 :GI値 = 「試料」摂取時の血糖値上昇曲線の面積) ÷ 「ブドウ糖」摂取時の血糖値上昇曲線面積 × 100 基準試料(この場合はブドウ糖)が異なればGI値は当然変化する。欧米では主食である白パン、日本では米飯が基準となる事がある。どちらも糖質を多く含み、精製されているため血糖値が上昇しやすい食品である。 上昇速度やピーク値は低くても、長時間血糖値が上がる食品は面積が多くなりGI値が高くなる。 また、砂糖のように急激に高い血糖値へ上昇し、大量のインスリンを分泌し、速やかに下降するような試料は面積が少なくなりGI値は低くなる。 つまりGI値は、血糖値の急上昇によるインスリンの過剰分泌と急降下、及びピーク値の影響度合を表現できない値と言える。 当然ながら健常者で測定しているデータは糖尿病患者には参考にならない。(ただし糖尿病患者を対象とした研究もある) 一般的にグルコースを多い割合で含む食品ほど血糖値が急上昇しやすくGI値が高くなる傾向にある。同時に水分を摂取すると小腸へ素早く移動するため上昇しやすい。逆に、タンパク質や脂質、食物繊維を多く含む食品は血糖値が緩やかに上昇して下降しにくい傾向になり、いわゆる腹持ちの良い状態になる。これは、胃に滞留しやすくなったり、障害物となって小腸からの吸収を遅延させるためである〔(3) 栄養指導PDF内の「胃滞留時間の延長」 厚生労働省〕〔食べ物と栄養素 大阪医療センター〕。 グリセミック指数は食品単品での測定であるが、実際の食事では複数の食材や調理法を組み合わせるため血糖値の上昇度合いが大きく変化する。例えば、茹でたジャガイモ、フライドポテト、肉ジャガではグリセミック指数が大きく異なる。また、肉や魚などの「食べる順番」によってインクレチンの分泌パターンが変化し、血糖値の上昇度合いが変化する〔肉と魚、先に食べる食品の種類でインクレチン分泌の反応は異なる 日経メディカル〕ため、やはり食事全体のバランスが重要である。 GI値は一食分あたりではなく「炭水化物50gあたり」の試料で比較するため、比較試料の重量にも気を付けるべきである。具体的には、ウドン約88g、ソバ約70g、砂糖50g、スイカ約660gを比較する事になる。炭水化物の非常に少ない肉類などは実質的に測定不可能である。例えば豚モモ肉は100gあたり炭水化物量が0.2gのため、およそ25kg摂取しなければ測定できない。絹ごし豆腐は100gあたり炭水化物が2gなので、おおそ2.5kg摂取しなければ測定できない。インターネット上では基準試料を表示せず、他のサイトから引用した不正確な値を掲載しているサイトが多々見受けられるため注意が必要である。 精製された砂糖であるグラニュー糖のGI値は60前後であり、グルコースより低い。グラニュー糖の主成分の蔗糖(スクロース)はグルコースとフルクトース(果糖)からなる二糖類である。グルコースは血糖値を急激に上昇させるが、残り半分のフルクトースは吸収されても血糖値を上げにくい。糖新生を除き、フルクトースは少量しかグルコースに変換されない。果物は一般的に糖分が多いが、その糖分の多くはフルクトースであるので、グルコース単体に比べて果物のGI値は低くなる傾向にある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「グリセミック指数」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Glycemic index 」があります。 スポンサード リンク
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