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低ザクセン語/低地ザクセン語()は、西ゲルマン語群のうち低地ドイツ語(Niederdeutsch)、もしくは低ザクセン・低フランケン諸語(Low Saxon-Low Franconian)〔に属する地方言語。 ドイツ語の北部方言ともされてきた諸言語の内、エルベ川より西のドイツとオランダ北東部で話される地方言語を指す。地理的要因から標準ドイツ語(高地ドイツ語)、中部ドイツ語、上部ドイツ語、オランダ語などと関わりを持ち、それらの言語の方言か否かがしばしば議論される。 ISO 693-2の言語コードは「nds」。 ==概念== 西ゲルマン語群の一種である低ザクセン語は、''標準ドイツ語''(高地ドイツ語東中部ドイツ語のテューリンゲン・オーバーザクセン方言を母胎にして近世に作られた)が経験した「第二次子音推移」ないし「高地ドイツ語子音推移」と呼ばれる子音変化を経験していないので、英語やフリジア語、スカンジナビア諸言語との共通点が標準ドイツ語より多い。文法的にも、英語と共通の部分がある。たとえば、低ザクセン語の名詞には、格が3つしかない(標準ドイツ語は4、英語は代名詞で3)。北部方言では、過去分詞にドイツ語やオランダ語のそれに付くようなge-が付かず、多くの南部方言ではge-の代わりにe-が使われる。このような多くの相違点から言語学的見地からは、同じ西ゲルマン語群に属する別言語、つまりは外国人にとってのドイツ語であるところの標準ドイツ語と親子関係ではなく、むしろフランス語に対するイタリア語・スペイン語のような兄弟としての立ち位置にあると考えるのが一般的な見解である。 しかし、ドイツ政府は近年に至るまでこの事実を否定的に捉え、あくまでドイツ語の一方言として処理してきた歴史を持つ。これは元々、何らかの言語が独立言語なのか方言なのかを客観的に決めることは言語学者の仕事ではなく、多くの場合は政治的な理由から判断されることが多いためである。領土・経済・人口・文化・歴史など様々な面で「ドイツ人」の少なくない部分を担ってきた北ドイツ住民が、言語という最も重要な文化的概念において他のドイツ住民と全く異なる性質を持つことは、ドイツ住民を意識の上で単一に纏めたいドイツ政府にとって認め難いことだった。 しかし政府の立場はともかく、学術的には北ドイツで話される言葉は中部・南部で話される言葉とは著しく異なる特徴を持っており、人為的に作り出されたと言ってよい標準語の存在が無ければ意思の疎通すら困難と言わねばならない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「低ザクセン語」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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