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低炭素社会(ていたんそしゃかい、low-carbon society)とは、二酸化炭素の排出が少ない社会のこと。脱炭素社会ともいう。低炭素経済(ていたんそけいざい、low-carbon economy)は経済システムを重視した概念であるが、基本的には同じである。 == 概要 == 社会に多大な影響をもたらす地球温暖化の緩和を目的として、その原因である温室効果ガスのうち、大きな割合を占める二酸化炭素の排出が少ない社会を構築することが、世界的な課題となっている。 :IPCC第4次評価報告書によると、2005年時点で気候に対する正の放射強制力をもつ人為起源の因子(=温暖化因子)のうち、最も大きいのが二酸化炭素の1.66(1.49 - 1.83)W/m2で、それに次ぐのがメタンの0.48(0.43 - 0.53)W/m2、対流圏オゾンの0.35(0.25 - 0.65)W/m2、ハロカーボン類の0.34(0.31 - 0.37)W/m2である。二酸化炭素は産業革命前に比べて約1.3倍に増加しており、化石燃料の利用による増加が大半を占めていると推定されている。メタンは人為起源で大量に排出されており、産業革命前に比べて約2.5倍に増加しているが、増加率が鈍化しており2000年代に入って0付近で推移している。また生物起源のものが大部分で制御は難しい。対流圏オゾンは気温変化により二次的に変動しており、他の要因を制御することで二次的に制御可能であると考えられている。ハロカーボン類はモントリオール議定書の履行に伴い減少傾向にある〔。 地球の炭素循環中では、非人為的な排出と吸収は均衡していることを前提に、年間280億トン(炭素換算。二酸化炭素換算ではこれを約3.67倍する)の炭素が人為的に排出されており、そのうち248億トンが吸収され、残りの32億トン(±1)が毎年大気中に蓄積されていき地球温暖化を進行させている(1990年代の平均値、IPCC第4次評価報告書)〔人為的な排出量のうち大半の200億トンは海洋からであり、海洋は一方で222億トンを吸収している。また同じく土地利用変化により16億トンが排出される一方、26億トンが吸収されている。これは、二酸化炭素濃度の増加によって海洋・陸地・生物の排出量や吸収量が受動的に増加することによるものと、人為的な開発などによるものである。〕〔IPCC第4次評価報告書第1作業部会報告書 技術要約 気象庁、2010年11月13日閲覧。〕〔海洋の炭素循環 気象庁、2010年11月13日閲覧。英語原文:〕。対策として、排出量と吸収量を均衡させなければならない。吸収量を増やすことも考えられるが、手法が限られていて自然変動により急減するリスクを孕むため、非常に困難である。残るのは大幅な排出量削減であり、まず念頭に置かれているのが化石燃料の利用による排出量年間64億トン(±4)(1990年代平均値。2000 - 2005年平均値は72億トン±3に増えている〔)の半減である。 日本では、2007年(平成19年)度の環境白書・循環型社会白書において提唱されたことを契機によく使われ始めた。これ以前の2005年ごろから使用されていて、似たような用語もあったが、白書以降「低炭素○○」に統一されてきている。 福田内閣で積極的に地球温暖化対策として「低炭素社会」をキーワードとするキャンペーンを洞爺湖サミットにむけ実施した。内閣府の世論調査では、言葉の認知度は3割強、うち9割が低炭素社会の実現に賛同するが、月額1000円以上の家計負担を容認する人は3割に満たない。17%は負担したくないと答えた。調査のn数は3000人面接調査で有効回答数は1837人(2008年5-6月実施) 低炭素社会は生活を根幹から変えうる可能性が高いことから、資源有限性の観点から同様に進められている循環型社会とは、統合的な取り組みを図っていくことが重要とされる。しかし、実現に向けた課題として、優れた技術の不足・市場の価値評価・人づくり・パートナーシップの構築・規制強化などが求められている。 一方、低炭素化に伴いレアメタル等の希少材料を利用した製品が増加することによる資源リスク、設備更新に伴う廃棄物処理の問題などもある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「低炭素社会」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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