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調和解析や数論において、保型形式(ほけいけいしき、)は、位相群 G 上で定義された複素数(あるいは複素ベクトル空間)値の函数で、離散部分群 の作用の下に不変なものである。保型形式は、ユークリッド空間の中の周期函数(これは離散位相群としての1 次元トーラス上の函数と見做される)の概念の一般の位相群に対する一般化である。 モジュラー形式は、モジュラー群あるいはのひとつを離散部分群として持つSL2(R)(特殊線型群)やPSL2(R)(射影特殊線型群)の上に定義された保型形式である。この意味では、保型形式の理論はモジュラー形式の理論の拡張である。 アンリ・ポアンカレ(Henri_Poincaré)は、三角函数や楕円函数の一般化として、最初に保型形式を発見した。ラングランズ予想を通して、保型形式は現代の数論で重要な役割を果たす。 == 定式化 == 保型形式の定式化に当たっては、Γ に対する一般的な意味での保型因子(群コホモロジーの言葉で言えば 1-コサイクルの一種)''j'' が必要である。''j'' は複素数値(あるいは一般にベクトル値の保型形式を考える場合にはそれに応じて複素正方行列値)の函数である。保型因子に課されるコサイクル条件は、''j'' がヤコビ行列から導かれる場合には連鎖律を用いて機械的に確認することができる。 一般的な状況では、保型形式は ''G'' 上の(ベクトル値で考える場合は、ある固定された有限次元ベクトル空間 ''V'' に値をとる)函数 ''F'' で、 # Γ の元 γ による平行移動による変換は所与の保型因子 ''j'' に比例する、 # ''G'' 上のあるの固有函数である、 # 無限遠での増加について特定の条件を満足する という三種類の条件を満たすものである。最初の条件は ''F'' が「保型性」を持つ 、つまり γ に対して ''F''(''g'') と ''F''(γ''g'') との間に興味深い函数等式が満足されることを言っている。ベクトル値の場合は具体的に、群の有限次元表現 ρ が成分に作用して、それらを「ひねる」。カシミール作用素云々は、あるラプラス作用素が ''F'' を固有函数にもつということであり、これは ''F'' が優れた解析的性質を持つことを保障するが、しかしそれが実際に複素解析函数となるかどうかは場合による。三つ目の条件は ''G''/Γ がコンパクトだが尖点を持つ場合を扱うためのものである。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「保型形式」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Automorphic form 」があります。 スポンサード リンク
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