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修姓（しゅうせい）・修名（しゅうめい）は、主として日本人が和風の姓名を漢文風にすること。姓（名）を修する、とも言う。「修」はかざるの意。 室町時代末期までは、漢詩文に親しむ層が比較的少なく、またその中心が僧侶であったために、平安時代初期の勅撰三漢詩集時代を別にすれば、修姓・修名の風はさほど盛行したわけではないが、江戸時代中期以降、漢詩文の素養がひろく知識人・武士階級に及ぶようになると、盛んに行われるようになった。とくにこの慣習が流行したのは、前述平安時代初期と、古文辞派の隆盛を見た18世紀前半である。 日本人の名（実名）ははやく平安時代ごろより漢字2字もしくは1字のものが一般となっていたために、修姓・修名は主として、 #複数字である姓を一字に短縮する #漢文風の字をつける #「修した姓＋実名」「修した姓＋字」「修した姓＋号」を字音で音読する などの方法に拠った。 以上のうち、特に(1)の姓の圧縮は、漢文風の姓名と和風の姓名を比較した場合、もっとも差異が目立つのが、姓の字数であったために、修姓のことは日本において特にひろく行われた。中世期までは、一部の例外を別にすれば、たとえば藤原氏を「藤」と修するような、氏の圧縮は見られるところであったが、苗字・家の名についてはこれを修するという例はほとんどなかった。ところが江戸時代中期ごろになると、中国崇拝のつよい徂徠学派の影響と、氏よりも苗字を名乗ることが一般化していた当時の風俗もあって、漢学者を中心に苗字（姓）を一字に圧縮することが起るようになる。 このため、場合によっては岡白駒のように修した後の姓しかわからない例（本来は「岡」を含む複数字の姓であり、現代では通常オカ・ハククと訓じているこの名は、もともとコウ・ハククと訓ませたものと思われる）、頼山陽の頼家、菅茶山の菅家のようにもともと複数字姓（頼金、菅波）であった家が、たまたま漢学を業としたために一家をあげて改姓してしまった例などもある。 また修姓はあくまでもともとの苗字・姓を圧縮することが原則であったため、本来の名とまったく関係のない字を姓とすることはなかった。このため、いかように修しても漢文風にならない場合もあり、通常中国人が姓に用いることのない漢字を修姓として用いることもあった。なかには荻生徂徠のように、「荻」としても「生」としても中国人らしく聞こえない苗字を持つがゆえに、氏（徂徠の家系は物部氏に属する）を修して「物徂徠」と称した人もあった（なお徂徠が「荻徂徠」とするのを嫌ったのは、「荻」と「狄」が同音であるためとする説もある）。 ただし修姓は多くの場合ペンネーム的な意味にとどまることが多く、頼家、菅家のように改姓にまで至った例は少数派である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア（Wikipedia）』 ■ウィキペディアで「修姓」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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