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数学の多変数微分積分学における偏微分(へんびぶん、)は、多変数関数に対して一つの変数のみに関する(それ以外の変数は)微分である(全微分では全ての変数を動かしたままにするのと対照的である)。偏微分はベクトル解析や微分幾何学などで用いられる。 函数 の変数 に関する偏微分は : など様々な表し方がある。一般に函数の偏微分はもとの函数と同じ引数を持つ函数であり、このことを : のように記法に明示的に含めてしまうこともある。偏微分記号 ∂ が数学において用いられた最初の例の一つは、1770年以降マルキ・ド・コンドルセによるものだが、それは偏差分の意味で用いられたものである。現代的な偏微分記法はアドリアン゠マリ・ルジャンドル〔Adrien-Marie Legendre, Sur la mainère de distinguer les maxima des minima dans le calcul des variations, Mém. Acad. Sci.,〕 が導入しているが、後が続かなかった。これを1841年に再導入するのがカール・グスタフ・ヤコブ・ヤコビである。 偏微分は方向微分の特別の場合である。また無限次元の場合にこれらはガトー微分に一般化される。 == 定義 == === 2変数の場合 === 簡単のため、2 変数の場合のみを詳しく述べる。''z'' = ''f''(''x'', ''y'') を R2 のある領域上で定義された実数値関数で、''x'' と ''y'' とは関数関係を持たずに独立に変化することができるとする。そして ''y'' を任意の値 ''b'' で固定すると、これを ''z'' = ''f''(''x''; ''b'') = ''f''1(''x'') という変数 ''x'' の関数だと思うことができる。このとき、この ''z'' = ''f''1(''x'') の ''x'' = ''a'' における微分係数 : を ''z'' = ''f''(''x'', ''y'') の、点 (''a'', ''b'') における ''x'' に関する偏微分係数とよぶ。この極限を : などのように記す。''z'' = ''f''(''x'', ''y'') を曲面と考えると、偏微分係数 ''f''''x''(''a'', ''b'') は領域上の点 (''a'', ''b'') における、''z'' の ''x'' 方向の傾きを表している。領域 ''D'' ⊂ R2 の各点 (''x'', ''y'') で ''x'' に関する偏微分係数が存在するとき、これを ''x'', ''y'' の関数と見た : を ''z'' = ''f''(''x'', ''y'') の ''x'' に関する偏導関数と呼ぶ。領域 ''D'' の各点で偏導関数が定義できるとき、''z'' は領域 ''D'' において ''x'' に関して偏微分可能であるという。 同様に、''x'' を任意の値 ''a'' で固定してできる ''z'' = ''f''(''a''; ''y'') = ''f''2(''y'') という ''y'' についての関数が、ある領域 ''D'' に属する ''y'' について微分可能なら : を ''z'' の ''y'' についての偏微分といい、''z'' は ''D'' において ''y'' について偏微分可能であるという。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「偏微分」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Partial derivative 」があります。 スポンサード リンク
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