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満州国(まんしゅうこく、、)は、1932年(大同元年)から1945年(康徳12年)の間、満洲(現在の中国東北部)に存在した。帝政移行後は「大満洲帝国(大滿洲帝國)」あるいは「満洲帝国(滿洲帝國)」などと呼ばれていた。 日本(朝鮮、関東州)および中華民国、ソビエト連邦、モンゴル人民共和国、蒙古聯合自治政府(後に蒙古自治邦政府と改称)と国境を接していた。 == 概要 == 1912年の清朝滅亡後は中華民国が清朝領土の継承を主張したが、外満洲はアイグン条約及び北京条約でロシア帝国に割譲され、内満洲の旅順・大連は日露戦争までは旅順(港)大連(湾)租借に関する条約でロシアの、戦後はポーツマス条約により日本の租借地となっていた。内満洲ではロシアにより東清鉄道の建設が開始され、日露戦争以前にはロシア軍が鉄道附属地を中心に展開し、日露戦争後は長春(寛城子)以北の北満洲にロシア軍が、以南の南満洲にロシアの権益を引き継いだ日本軍が南満洲鉄道附属地を中心に展開して半植民地の状態だった。日本やロシア(及び継承国のソ連)は自国の満洲権益に関して清朝や中華民国と条約や協定を結んでおり、満洲の主権が清朝及び継承国の中華民国にある事は承認ないし黙認していた。また日本は1922年の支那ニ関スル九国条約第一条により中華民国の領土的保全の尊重を盟約していたが、中華民国中央政府(北京政府)の満洲での権力は極めて微力で、張作霖率いる奉天軍閥の実効支配下に置かれていた。1928年12月29日に奉天軍閥が国民政府に帰順(易幟)した事により、実質的には奉天軍閥の支配は継続していたが、満洲に青天白日満地紅旗が掲げられる事になった。 1931年9月18日、柳条湖事件に端を発して満洲事変が勃発、関東軍により満洲全土が占領される。その後、関東軍主導の下に同地域は中華民国からの独立を宣言し、1932年3月1日の満洲国建国に至った。元首(満洲国執政、後に満洲国皇帝)には清朝最後の皇帝・愛新覚羅溥儀が就いた。 満洲国は建国にあたって自らを満洲民族と漢民族、蒙古民族からなる「満洲人、満人」による民族自決の原則に基づく国民国家であるとし、建国理念として日本人・漢人・朝鮮人・満洲人・蒙古人による五族協和と王道楽土を掲げた。 満洲国は建国以降、日本、特に関東軍の強い影響下にあり、「大日本帝国と不可分的関係を有する独立国家」と位置付けられていた〔「満洲国指導方針要綱 」、昭和8年8月8日閣議決定〕。当時の国際連盟加盟国の多くは満洲地域は法的には中華民国の主権下にあるべきとしたが、このことが1933年(昭和8年)に日本が国際連盟から脱退する主要な原因となった。 しかしその後、ドイツやイタリア、タイ王国など多くの日本の同盟国や友好国、そしてスペインなどの枢軸寄りの中立国も満洲国を承認し、国境紛争をしばしば引き起こしていたソビエト連邦をも領土不可侵を約束して公館を設置するに至り、当時の独立国の3分の1以上と国交を結んで独立国として安定した状態に置かれた〔。アメリカやイギリス、フランスなど国交を結んでいなかった国も国営企業や大企業の支店を構えるなど、人的交流や交易をおこなっていた。 第二次世界大戦末期の1945年(康徳12年)、日ソ中立条約を一方的に破棄した赤軍(ソ連軍)による満洲侵攻と、日本の太平洋戦争敗戦により、8月18日に満洲国皇帝・溥儀が退位して満洲国は滅亡。満洲地域はソ連の支配下となり、次いで中国国民党率いる中華民国の支配下へと戻った。その後は国共内戦を経て中国共産党率いる中華人民共和国の領土となっている。 中華民国および中華人民共和国は、現代でも満洲国を歴史的な独立国として見なさない立場から、「偽満」「偽満洲国」と表記する〔姜念東・解学詩ほか『偽満洲国史』(吉林人民出版社、1980年)など〕。同地域についても「満洲」という呼称を避け、「中国東北部」と呼称している。日本では通常、公の場では「中国東北部」または注釈として「旧満州」という修飾と共に呼称する〔満洲国については、「日本ないし関東軍の傀儡国家と規定するものも少なくない」(山室信一『キメラ-満洲国の肖像-』中公新書1138、1993年、p.6、1993年吉野作造賞受賞)〕〔「傀儡国家であった満州国」(加藤陽子『満州事変から日中戦争へ』岩波新書1046、2007年、pi)、「満州事変ののち、関東軍によってつくられた傀儡国家である」〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「満州国」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Manchukuo 」があります。 スポンサード リンク
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