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『毒流』(どくりゅう、)は、1916年(大正5年)製作・公開、ブルーバード映画製作、ユニバーサル・フィルム・マニュファクチュアリング・カンパニー配給によるアメリカ合衆国のサイレント映画である〔''Shoes'', Internet Movie Database , 2010年4月5日閲覧。〕。1922年(大正11年)に松竹蒲田撮影所が本作を原作に2作の劇映画を製作・公開しており〔海の呼声、日本映画データベース、2010年4月5日閲覧。〕〔傷める小鳥、日本映画データベース、2010年4月5日閲覧。〕、同2作についても本項で扱う。 == 略歴・概要 == ソーシャルワークの先駆者として知られるジェーン・アダムズの小説をステラ・ウィン・ヘロンが翻案、ロイス・ウェバーが脚色して監督した作品である〔。1916年(大正5年)にユニバーサル・フィルム・マニュファクチュアリング・カンパニー(現在のユニバーサル・ピクチャーズ)の子会社として設立されたブルーバード映画が製作し、ユニバーサル社が配給して、同年6月26日にアメリカ合衆国で公開された〔。 日本では、播磨勝太郎が同年に設立した播磨ユニヴァーサル商会が独占配給し、同年10月18日に東京・浅草公園六区の帝国館を皮切りに全国で公開された〔『日本映画発達史 I 活動写真時代』 、田中純一郎、中公文庫、1975年12月10日 ISBN 4122002850, p.257-261.〕。日本において評価の高かったブルーバード映画のうちでも、熱狂的に受け入れられた作品のひとつであり、当時の映画雑誌『活動之世界』には、 と評された〔。当時の日本映画は歌舞伎や新派の影響下にあり、また輸入映画の主流であったイタリア等のヨーロッパ映画も演劇的であり、平凡な舞台設定・人物設定をリアルに描く『毒流』は、日本の観客には、新しく風変わりなものに映ったという〔。 本作が日本で公開された時点では、松竹キネマ(現在の松竹)はまだ設立されていなかったが、設立後2年が経過した1922年(大正11年)、本作を原作に伊藤大輔が脚色、野村芳亭が監督した映画『海の呼声』を松竹蒲田撮影所が製作、松竹キネマが配給し、同年9月10日、東京・有楽町の有楽座等で公開された〔。同年、再び『毒流』を原作に、おなじく伊藤が脚色、牛原虚彦が監督した映画『傷める小鳥』をおなじく松竹蒲田が製作、松竹キネマが配給し、同年11月11日、浅草公園六区の大勝館等で公開されている〔。 現在、ロイス・ウェバーの監督したオリジナルの『毒流』は、アンソニー・スライドによれば断片のみが現存し、同監督の現存する17作のうちの1作である〔''Lois Weber, or the exigency of writing: part six '', William D. Routt, www.latrobe.edu.au (ラ・トローブ大学)、2010年4月5日閲覧。〕。ドイツ語の黒味字幕の付された5分の断片をオランダ映画博物館が所蔵し〔Shoes , ウォーカー・アート・センター、2010年4月5日閲覧。〕、寄贈された「小宮登美次郎コレクション」にあった672フィート、10分(18コマ/秒)の断片を日本の東京国立近代美術館フィルムセンターが所蔵している〔『FC89 発掘された映画たち - 小宮登美次郎コレクション』、東京国立近代美術館フィルムセンター、1995年11月2日刊。〕。 日本でのリメイク版『海の呼声』、『傷める小鳥』の上映用プリントは、いずれも東京国立近代美術館フィルムセンターに所蔵されておらず〔所蔵映画フィルム検索システム 、東京国立近代美術館フィルムセンター、2010年4月5日閲覧。〕、マツダ映画社も所蔵していない〔主な所蔵リスト 劇映画=邦画篇 、マツダ映画社、2010年4月5日閲覧。〕。現状、観賞することの不可能な作品である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「毒流」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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