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『優雅で感傷的な日本野球』(ゆうがでかんしょうてきなにほんやきゅう)は、高橋源一郎が著した長編小説。雑誌『文藝』に連載された後、「新しい構想のもと」〔高橋源一郎「あとがき」『優雅で感傷的な日本野球』河出書房新社、1988年 p.264〕大きく書き改められて1988年に出版された。同年に第1回三島由紀夫賞を受賞している。断片的な7つの章で構成されており、野球における言語論的転回がパロディやパスティーシュを駆使して軽やかに描かれている。 ==あらすじ== ;I 偽ルナールの野球博物誌 :読んだ本のなかから野球に関する事柄をノートに書き写す仕事をしている「わたし」は、「リッチー」の店にやってきた少年に自分がノートに書き込んだ野球についての言葉を聞かせてやる。そして野球の本から一部だけ書き写した「テキサス・ガンマンズ対アングリー・ハングリー・インディアンズ」の試合記録を読ませてやることにした。これはページを破かれて鼻紙にされた本の残りの箇所を「わたし」がやっと写すことができた部分だった。最後にサインを求められた「わたし」と「リッチー」はそれに応じ、少年を帰した。2人は少年が自分たちよりもずっと立派な野球選手になるだろうとうなずき合うのだった。 : ;II ライプニッツに倣いて :「ぼく」はスランプである。成績がふるわず、コーチともそりがあわない。不調を気にする「ぼく」は医者にかかるが、医者は身の回りのすべてを野球に置き換える「ぼく」に野球から離れてみるように言う。しかし「具体的に」野球の言葉ができない医者と「ぼく」はかみ合わない。結局「ぼく」は先輩のピッチャーから教わったライプニッツの野球理論「単子(ボール)論」にならうことにする。 ;III センチメンタル・ベースボール・ジャーニー :長い間あちこちの精神病院に入っていた叔父から、小学生の「ぼく」は遙かか昔に廃れた野球というスポーツを教わる。父親によると叔父はすぐれた野球選手だったらしい。特訓を受けた「ぼく」は世界が野球に関する言葉で満ちあふれていることに感動を覚え、ついに野球選手の道の第一歩として、叔父に言われた人物に会うため旅に出る。たどり着いた店には2人の老人がいた。いろんな話をした「ぼく」が最後にもらったサインには、リッチ・ゲイル、ランディ・バースとあった。 ;IV 日本野球創世記譚 :精神病院の患者である「監督」は、創世神話を模したほら話ともつかない壮大な日本野球の起源を、スラップスティックにとうとうと物語る。この「監督」は元はプロ野球チームの監督であったらしい。 ;V 鼻紙からの生還 :廃棄を免れた鼻紙の記録によれば、テキサス・ガンマンズ対アングリー・ハングリー・インディアンズの試合は九八回の裏である。選手たちは疲労困憊のなか最後の一球が投げられるのを待つ。 ;VI 愛のスタジアム :スタンドとフィールドでは選手やうぐいす嬢、客たちが野球の話ともつかないとりとめのない会話を続けている。「野球」が始まることはない。 ;VII 日本野球の行方 :「わたし」は、阪神ファンの劇作家から、の阪神タイガースの優勝がデマだったと主張する手紙を受けとる。手紙にありありと描かれている物語によれば、阪神の選手たちは優勝までマジック1になったところで自分たちがしていることは野球ではないと気付き、全員がチームをやめてどこかへ消えてしまったのだ。掛布雅之は野球を教えに精神病院をまわり、監督の吉田義男は精神病院に入れられたがやはり野球に迫ろうとしているという。ランディ・バースは野球について書かれた文章を集めることで、野球を見つけ出そうとする。ランディは自分の方法に確信は持てないが、「野球」が確かに存在することだけは信じている。 各章は独立しているようにみえるが、バースに焦点をあてて系列化すると、「阪神タイガースをやめたバースが、図書館に通い野球のことが書かれた言葉を集め始める」小説と読むことができる。とはいえ幻想小説としての「優雅で感傷的な日本野球」においては、この系列もまた7章に登場する劇作家の創作物である可能性は残る〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「優雅で感傷的な日本野球」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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