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八九式普通実包(はちきゅうしきふつうじっぽう)とは、日本陸軍が使用した7.7mm弾薬の名称である。主として八九式旋回機関銃、八九式固定機関銃に用いられた。 == 概要 == 主に人馬を殺傷することを目的とする。 弾丸は三八式銃実包の弾丸と同一要領の構造(被甲の前半部が厚くなっている)とし、その中径は7.85mm、長さは29.3mm。被白銅鋼(鋼製の被甲を白銅で鍍金したもの)製の被甲および硬鉛の弾身をもつ。薬莢は半起縁式で、雷管は0.025gの爆粉を備える。弾丸の重量は10.5g、装薬は無煙小銃薬乙を使用し装薬量は3g、実包全体の重量は24.4gである〔陸軍技術本部『八九式旋回固定機関銃実包並同擬製弾仮制式制定の件』〕。なお、1940年(昭和15年)9月に装薬が三番管状薬へと変更されている〔陸軍航空本部『八九式固定(旋回)機関銃弾薬細目名称表中改正の件』〕。 八九式各種実包は1920年(大正9年)7月の参第三九八号研究方針に基づいて研究したものである。普通実包は航空機用機関銃の研究に伴って研究を継続し、1928年(昭和3年)12月に明野陸軍飛行学校での八九式旋回機関銃の実用試験において試験を完了した。その後この実包を八九式固定機関銃に兼用する目的をもってこの銃の審査と関連して研究を継続し、多少の修正を加えて両銃に兼用するという目的を達成した。以上をもって1930年(昭和5年)8月に仮制式制定が上申された。 防湿のため、雷管の周りに無着色のセラックワニスを塗布した〔『兵器材質調査 第3輯(セラックワニス)』〕。後に、弾種識別および防湿のため、莢口部と弾丸の接する部分に紅色のセラックワニスを塗布した。 八九式普通実包の弾丸は発射の際に燃焼ガスにより圧拡作用をなし、燃焼ガスの緊塞を確実にする。従って、銃身の摩耗は他のものに比べて著しく小さく、また銃身内への被甲の付着も極めて少なく、逆に被甲材質の鋼により銃身内に付着した被甲を除去することができる。このため、他の弾種を使用した後に本実包を射撃すると、射撃後の銃の手入れが極めて容易となった。これらの特徴から、九二式重機関銃においても「九二式重機関銃弾薬八九式普通実包」として1934年(昭和9年)11月に仮制式制定が上申された〔陸軍技術本部『九二式重機関銃弾薬仮制式制定の件』〕。 なお、八九式普通実包は1919年(大正8年)12月に設計要領が提示された七粍七(7.7mm)小銃用の実包に酷似しており〔陸軍技術本部『小銃審査の件』〕、これを航空機関銃用として転用した可能性がある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「八九式普通実包」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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