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八五郎坊主(はちごろうぼうず)は上方落語の演目名である。 == あらすじ == 八五郎が甚兵衛はんに「もし、『つまらん奴は坊主になれ。』ていいまっけど。どういう意味ですねん。」と尋ねに来る。甚兵衛が何もしないでぶらぶらしてる者は世の中におっても役に立たないから、いっそ出家せよとの意味と教えると。 「さよか。ほたら、わいみたいなもんやなあ。そうでっしゃないか。仕事もなく身寄りもおまへん。いっそ出家しよからん。」 甚兵衛も「おお。そらええ心がけじゃ。わしが紹介したるよって、行きなはれ。」と紹介状を持って八五郎は下寺町のズクネン寺に行く。 そこで、八五郎は頓珍漢なことを言って住持を困らせる。それでも住持は 「面白い人じゃな。こんな人じゃから出家するのも仏縁かもしれんわい。」と出家を許し、挨拶や生活態度など出家の心得を教え、頭をそって「法春」という出家名を与えた。 ところが八五郎は物覚えが悪く、すぐに名を忘れてしまう。あきれる住持であったが、 「いやいや、釈尊の弟子周利槃特は名を忘れよったが、かえって悟りを開き高僧となられたでな。お前さんもそうなるやもしれんで。」 「せやけど、何ぞ覚えることできませんやろか。」 「じゃあ、ここの紙に書いてあげますでな。」と懐紙に「法春」と書いてもらう。 八五郎はうれしさに「おおきにえらいすいまへん。早速甚兵衛はんとこに挨拶してきま。」 「ああ。そうしなされ。」 「帰ったら、祝いに軍鶏絞め殺して一杯やりまひょ。」 「そんな、あほな事しなはんな。」 返事もそこそこに八五郎は表に飛び出す。 偶然出会ったのが友人の芳公、竹公。 「おい、そこ行くのは八やないか。」 「おお。芳に竹!・・・あ、そやそやぞんざいな返事したらあかんて、オッさん言うとったな。・・・はいはい。愚僧かな。」 「何が愚僧や。犬の糞みたいな顔しやがって。」 「そんなこと言いないな。」 「どないしたんや。その格好。」 八五郎は事の顛末を話すと友人たちは感心し、「へえ。そらええなあ。一人出家したら七族極楽往生するっていうさかいなあ。それでお前出家名何ちゅうねん。」 聞かれて早速忘れてしまう。 「ああ。せやせや。ここに書いたある紙あるねん。これや見てみ。」 「はあ・・・ホウという字と春日はんのカスやなあ。お前の名ホカスか。」 「ちょい待ちいな。いきなり付けてもうた名前をほかす(捨てる)かいな。」 「じゃあ。ノリちゅう字とハルやさかい。・・・ホウバルか。」 「何や、食べてるような名前やなあ。ちゃう。ちゃう。そないな名やあらへん。」 「・・・ははあ。わかった。こらノリ言う字とカスやさかい。・・・うん、ノリカスやなあ。」 「そうや。ノリカス。剃るなりつけるなりや。」 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「八五郎坊主」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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