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公的信用に関する第一報告書(こうてきしんようにかんするだいいちほうこくしょ、)は、アメリカ合衆国建国の父であり初代アメリカ合衆国財務長官であるアレクサンダー・ハミルトンが、アメリカ合衆国議会の要請に応えて発行した3件の主要経済政策報告書のうち、最初のものである。この報告書では、アメリカ合衆国の財政状況を解析し、国の負債の除却について推奨する施策を提案した。1789年9月21日に下院から報告が委託され、1790年1月14日に報告されたこの書類は14万語からなり、諸州が負っていた負債を初めて連邦政府が肩代わりする提案を行ったものとなった。 == ハミルトンの計画 == アメリカ合衆国はアメリカ独立戦争の間にヨーロッパ諸国や国内から多額の借金をしてきていた。大陸軍兵士は当然払われるべき給与を受け取っておらず、軍の裕福な士官の多くは独力で立ち上げた部隊の装備と物資のために全財産を消費していた。幾つかの州は同様に戦争遂行のための借金をしており、物資購入のために民間人から借金し、返済期限を定めない約束手形を渡した州もあった。ハミルトンは新生国家の公的な信用において国内外の投資家の信頼感を上げることが必要と考えた。1790年における国全体の借金は5,400万米ドルに上り、2009年のGDPで換算すると4.1兆米ドルに相当するものだった.。議会はハミルトンの計画にある外国の債権者に対する借金1,100万米ドルを返済することは承認したが、国内の借金2,700万米ドルの手当てと、諸州が負った2,500万米ドルの肩代わりは渋った〔Faragher, p.217.〕。この金融政策は10年期の変わり目(1790年)での経済不況に影響した可能性がある。 ハミルトンは負債問題に対処するために注目すべき政策群を提案した。全ての負債は額面価値で支払われるべきこと。連邦政府が各州の負った負債を肩代わりし、その原資は利率を4%に設定した新しい国債で手当てすること。政府は国債の元本を返済せず、新しい関税と酒類に課す法外な物品税で賄われる利子のみをはらうこと、などだった。 ハミルトンの経済計画には複数の目的があった。まず、国の負債と栄誉を確定させることだった。ハミルトンは、これら負債が支払われない限り、連邦政府が将来誰からも金を借りられなくなると考えた。負債を支払うために国債を販売することで、国債保持者は新しいアメリカ合衆国が生き残り繁栄することに資する直接財政的興味を持ち続けると考えた。国債を購入した債権者達はそれを借金の担保とするので、経済をさらに活性化させることが期待された〔Chernow, p.296.〕。 またこの計画は国内の個別の州ではなく連邦政府に結びついた請負者の機構を創り上げると見込まれた。同様に州の負債を肩代わりすることは、各州の財務的エリートを州政府に対するよりも連邦政府により強く結びつけ、それによって州が連邦から脱退する危険性を下げることが期待された。ハミルトンの計画は「負債肩代わり計画」と呼ばれ、1790年の当時としては急進的な考え方だった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「公的信用に関する第一報告書」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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