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公開鍵暗号(こうかいかぎあんごう、Public key cryptosystem)とは、暗号化と復号に別個の鍵(手順)を使い、暗号化の為の鍵を公開できるようにした暗号方式である。1980年代にかけ、日本で紹介された直後は「公衆暗号系」と訳されていた。 暗号は通信の秘匿性を高めるための手段だが、それに必須の鍵もまた情報なので、鍵自体を受け渡す過程で盗聴されてしまうリスクがあり、秘匿性を高める障害だった。この問題に対して、暗号化鍵の配送問題を解決したのが公開鍵暗号である。 == 歴史 == 1960年代、イギリスの政府通信本部 (GCHQ) に所属するジェイムズ・エリスが公開鍵暗号(非秘密暗号)を考案し提案は受諾された。しかし理論的には有用性が認められたが、一方向関数が見つけられずこのアイデアは実用化されなかった。1973年、同機関に入所したクリフォード・コックスがこのアイデアに取り組み「作用は可能だが、逆転させられない関数」から素数と素因数分解を基に30分程度で数式を組み立て、さらにマルコム・ウィリアムソンが鍵配送問題に解決の糸口を見つけ、今日の"RSA"と呼ばれる暗号システムの基礎を確立した。同時期に、彼らとは無関係な米国のアマチュア数学者、ウィットフィールド・デフィーが独学で公開鍵暗号開発に取り組んでいた。1976年に、ウィットフィールド・デフィーとマーティン・ヘルマンが公開鍵暗号に関する世界最初の論文を発表した。 公開鍵暗号という新規な発明は、本来、エリス=コックス=ウィリアムソン組が先であったが、論文にして公表し、その有用性を広く伝えたのは、デフィー=ヘルマン=マークル組となったため、本発明の特許権と栄誉は彼らが得た。先に考案していたエリス=コックス=ウィリアムソン組は、英軍の管理下であったGCHQが国家機密となっていたために、後発組が公開鍵暗号の論文を発表しても、契約により口外できなかった。後年、公開鍵暗号が広く普及したことで本暗号に関する機密扱いが解除され、エリス=コックス=ウィリアムソン組の功績が世に知られることになった〔井上孝司著、「通信と情報の保全 暗号化の話」『軍事研究2011年11月号』、(株)ジャパン・ミリタリー・レビュー、雑誌 03241-11、ISSN 0533-6716、227-228頁〕。デフィーの「先に開発していたのは本当ですか?」との問いに、エリスは「我々より、君達の方がより多くの事をやっている」と答えている。 1976年以前には、暗号と言えば共通鍵暗号であった。これは、暗号化と復号に同じ(共通の)鍵を使うものである。 MIT研究者であったロナルド・リヴェリスト、アディ・シャミル、レオナルド・アデルマンの3人が開発し、開発者各人の頭文字を取って「RSAシステム」を完成させた。1982年、彼らはカリフォリニア州レッドウッド市にデータセキュリティ専門の会社「RSAデータセキュリティ社」を設立した〔Press Releases - RSA社サイト(英語、2012年2月19日閲覧)〕。 1990年代初頭、フィル・ジマーマンがパーソナル・コンピュータに搭載可能な"PGP"(Pretty Good Privacy)を開発し公開した。このプログラム"PGP"が全世界に普及したことで、誰でも公開鍵暗号が使用できるようになった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「公開鍵暗号」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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