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六十律（ろくじゅうりつ）は、中国、前漢に活躍した易経の大家である京房により考案された、8度音程の中に60個の音を入れた音律である。 ==概要== 京房は六十律管を製し、これによって1年間の六十節の気を候おうとした。 すなわち、十二律の基音である黄鐘から順番で三分損益の法（順八逆六の法）を59回繰り返し、それぞれの音律を得て、次のように命名した。 黄鍾、林鍾、太簇、南呂、姑洗、応鍾、蕤賓、大呂、夷則、夾鍾、無射、仲呂、執始、去滅、時息、結躬、変虞、遅内、盛変、分否、解形、開時、閉掩、南中、丙盛、安度、屈斉、帰期、路時、未育、離宮、凌陰、去南、族嘉、鄰斉、内負、分動、帰嘉、随期、未卯、形始、遅時、制時、少出、分積、争南、期保、物応、質未、否与、形晉、惟汗、依行、色育、謙待、未知、白呂、南授、分鳥、南事。 京房は六十律を測定するのに、律管では正確でないことを見出し、絃長で算出するべきであると説き、長さ1丈の瑟を作って、13絃をそなえ、それぞれの絃の全長を9尺とし、中央の絃の直下にその長さを測定する尺度を付した。この装置を準と命名し、その全長9尺の絃の音を黄鐘に合わせ、これに対して順番に三分損益の法を応用し、六十律の絃長を測定した。 なお、田辺尚雄によると、京房の目的は純正律を作ることではなかったが、純正律から考えれば、色育、謙待、未知、白呂、南授、分鳥、南事の7律は、それぞれ、黄鐘、林鐘、太簇、南呂、姑洗、応鐘、蕤賓との間の音程が微小な音程であるから、これを省略するべきで、すなわち六十律は純正律上五十三律と化するべきであるという。 また、江戸時代の和算家・中根璋が「律原発揮」において六十律を平均律とし、8度音程を60等分して六十平均律を作ることを推断したのは誤りであるとされ、平均律とする場合は五十三平均律を作るのが正しいとしている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア（Wikipedia）』 ■ウィキペディアで「六十律」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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