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共和国宮殿（きょうわこくきゅうでん、）は、ドイツ民主共和国（東ドイツ）の首都東ベルリンの中心部にあった建物。シュプレー川の中州のシュロスプラッツ（、王宮広場）とルストガルテン（）の間に建つ近代建築で、東ドイツの人民議会（）の議場とコンサートホール、美術館、ボウリング場、ディスコ、13のレストラン・カフェ・バーなどが入居していた。プロイセン王国の宮殿・ベルリン王宮（）の跡地に1976年に完成したが、1990年に閉鎖され、2006年から解体工事に入り2008年末には完全に撤去された。跡地には、ベルリン王宮の再建が予定されている。 == 建設 == かつてシュプレー川の中州にはベルリン王宮があったが、1945年の空襲とベルリン市街戦で大きく破壊された。その廃墟は修復可能ではあったものの、東ドイツ政府によってプロイセン軍国主義のシンボルであるとされ1950年に爆破解体された。王宮南側のシュロスプラッツ、北側のルストガルテン、その中間の王宮跡地はともに舗装され、1951年から1994年までマルクス・エンゲルス広場（）の名で呼ばれパレードなどの会場として使用されていた。 ベルリン都心にできた空地をめぐり、1950年代前半には東ドイツによる超高層の政府ビル案もあったが実現には至らなかった。1958年に西ドイツ政府が世界の建築家を招いて開いた将来の「首都ベルリン」をテーマにした建築設計競技ではこの一帯を文化ゾーンとする案が評価され、これに対抗して東ドイツ政府が開いた独自の建築設計競技では一帯を政治の中心とする案が出された。 1960年代から王宮跡地のうち東半分に政府ビルの建設が計画され、ハインツ・グラフンダー（）他5名の建築家の設計により1973年から3年にわたる工事の末、1976年4月23日に共和国宮殿のオープンが祝われた。東ドイツの一般的で簡素な建築様式で設計された共和国宮殿は、南北の長さ180 m、東西の幅85 m、高さ32 m で6階建ての、白い大理石にブロンズミラーガラス張りの外観であり、中は大ロビーに吊るされた1001個のランプを筆頭に白く輝く大理石の華やかな内装が行われていた。北側の小ホールは人民議会の議場として使われ、一方幅67m・高さ18mの六角形の大ホールはドイツ社会主義統一党党大会や国家的行事のほか、劇・コンサート・テレビ番組の公開収録などに使われ、可動式の天井や壁により大人数から少人数まで多様な用途に利用できた。大ロビーなどは東ドイツの芸術家たちの作品で飾られた。 東ベルリン市民からは「共和国のバラスト」（、「」のもじり）、「エーリッヒのランプ店」（、当時の最高権力者である社会主義統一党書記長エーリッヒ・ホーネッカーと館内に設置された大量のランプから）、「パラッツォ・プロッツォ」（、お威張り宮殿、「自慢」を意味するProtzをイタリア語風にしたあだ名）などと悪口を言われた〔http://www.goethe.de/ins/prj/life/nov/ja204346.htm 「共和国宮殿から民衆宮殿へ」, シュテファニー・ヴルスター, 2004, ゲーテ・インスティテュート（日本語）〕が、音楽イベントの行われるホールやレストラン、バーといった部分には人が多く集まり、東ベルリン随一の人気スポットとなっていた。1983年10月には西ドイツのロックスター・ウド・リンデンベルクが共和国宮殿でのライブ開催を許可されたが、彼は自身の有名な曲の一つでホーネッカー書記長を皮肉った「」（パンコウ行きの特別列車）(de)を、歌わないよう事前に申し渡されたにもかかわらず歌っている。 かつて共和国宮殿を舞台に行われた重要な出来事には、1976年・1981年・1986年のドイツ社会主義統一党の党大会のほか、東欧革命のさなかの1989年10月に建国40周年の前夜を祝いソビエト連邦のミハイル・ゴルバチョフ共産党書記長を招いて行われた祝典などがある。この式典では、東ドイツの体制死守を主張するホーネッカーにゴルバチョフは冷淡な態度を見せ、これが同月中のホーネッカー失脚に結び付いた。ベルリンの壁崩壊後の1990年には東ドイツで最初で最後の民主的に選出された人民議会が開催され、東西ドイツ統合の方向が決められた。 ファイル:Stamp PdR.jpg|共和国宮殿の竣工を記念する切手、1976年 File:Bundesarchiv Bild 183-R0821-400, Berlin, Palast der Republik.jpg|ライトアップされた夜の共和国宮殿 1976年 ファイル:Bundesarchiv Bild 183-1986-0417-414, Berlin, XI. SED-Parteitag, Eröffnung.jpg|大ホールで開かれたドイツ社会主義統一党の党大会 1986年 ファイル:Bundesarchiv Bild 183-1990-0419-418, Berlin, Volkskammer während Regierungserklärung von Lothar de Maiziere.jpg|人民議会の議場 1989年 ファイル:Bundesarchiv Bild 183-R0706-417, Berlin, Palast der Republik, Jugendtanz.jpg|華やかなロビー File:Bundesarchiv Bild 183-R0425-0005, Berlin, Palast der Republik, Eröffnung Kegelbahn.jpg|ボウリング場 File:Bundesarchiv Bild 183-R1012-0126, Berlin, Palast der Republik, Konzert.jpg|大ホールで行われたコンサート 1976年 File:Bundesarchiv Bild 183-R0425-0010, Berlin, Palast der Republik, Gemälde Heisig.jpg|内部は東ドイツの芸術家たちの作品で飾られていた。 File:Bundesarchiv Bild 183-1989-1007-068, Berlin, 40. Jahrestag der DDR, Empfang.jpg|共和国宮殿で開催された建国40周年祝賀行事。立っている人物がホーネッカー国家評議会議長、社会主義統一党書記長。その左隣がミハイル・ゴルバチョフ 1989年10月 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア（Wikipedia）』 ■ウィキペディアで「共和国宮殿」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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