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御璽（ぎょじ）とは、天皇の璽（印章）のこと。天皇の国事行為に伴い発せられる文書に押印される。近代以前には、内印（ないいん）と称された。 現在の御璽は金印〔強度を保つために金合金製（18金）とされる。〕で、大きさは3寸（約9.09cm）四方の角印、重量は約3.55kgある〔「皇室のきょうかしょ vol.36 」、竹田恒泰〕。印文は「天皇御璽」（2行縦書で右側が「天皇」、左側が「御璽」）と篆刻されている。国璽とほぼ同じ大きさ・形状である。 == 歴史 == 御璽の歴史は飛鳥時代まで遡る。701年（大宝元年）に成立した大宝律令で官印の一つとして内印（天皇御璽）が規定されており、大きさは方3寸（約8.9cm）〔唐尺に由来。当時の寸は約2.96cmに相当。〕とされていた（公式令「天子神璽条」）。“内”とは天皇を意味しており、これに対して太政官印は外印と称された〔荻野三七郎「内印」『国史大辞典 10』〕。材質や印文に関する具体的な規定は存在しないが〔、平安時代には中務省内匠寮が鋳造を担当〔、材料は銅又は青銅が使用され、幕末までに幾度か作り直された。現存する奈良時代の文書に残された印影から大きさは約8.5cm四方であったと推定され〔早川庄八「内印」『日本史大事典 5』〕〔西山良平「内印」『日本歴史大事典 3』〕、1068年（治暦4年）に焼損した内印を翌1069年4月30日（延久元年4月7日）に改鋳したことが知られている〔荻野三七郎「内印」『平安時代史事典』〕。また、江戸時代の御璽は銅印で方2寸7分（約8.2cm）〔曲尺に由来。当時の寸は現在の寸（約3.03cm）とほぼ同じ。〕である。 律令国家期の内印は、実用としては用いられない天子神璽に次ぐ地位にあり〔、天皇大権を示すものとされて通常は少納言および中務省所属の主鈴が担当していた〔。詔勅〔および五位以上の位記〔位階を授ける際に渡される文書。〕及び諸国に下す公文（太政官の太政官符・八省の省符・弾正台の台符など）には内印を捺印する必要があった〔。内印を捺印する際には少納言が天皇に奏上して捺印許可を得ると言う請印と呼ばれる儀式を必要とした〔。請印を得た公文は勅符と五位以上の位記は少納言が、それ以外の公文は主鈴が実際の捺印を行った〔。もっとも、全ての公文書に内印もしくは外印を押す原則が徹底されず、720年（養老4年）に無印のままの公文発給を止めさせているほか、延喜式（太政官式）でも内印を押すべき事案を具体的に規定として定めている〔〔。 明治維新後、1869年8月15日（明治2年7月8日）に職員令（太政官制）を制定して新たに官位相当制を定めるに際して、御璽の用例を定めた。このときの御璽は「内印」として用いられてきた伝来の銅印〔「天皇御璽ノ印影ヲ彫刻ス 」『太政類典第一編 第四十巻』〕が使用された。御璽は、勅任官の官記〔任官の際に渡される任命書。〕、勅授の位記、華族の相続等に押され、その後、外国へ特派する使節に対する詔書などの文書にも用いられた。 1871年（明治4年）、大蔵卿伊達宗城を全権として清に派遣する際、伝来の銅印が「印文ノ不明」〔「維新後印璽之制」『図書寮記録. 上編 巻二』〕「字面不宜趣」な物であり〔「国璽御璽ヲ鋳造ス」『太政類典第二編 第四十二巻』〕、同年5月3日に大蔵省に出仕していた篆刻家の小曽根乾堂に命じて新たに方2寸8分（約8.48cm）の石印を刻させた。現在の御璽・国璽は、この石印が「艸卒ノ刻、字體典雅ナルヲ得ス」〔『太政官沿革志 印璽之制 三』〕「早卒ニ際シ石刻相成且刻面モ不宜様ニ相見候」〔と不評だったため、金材をもって改めて刻したものである。1873年（明治6年）2月、宮内省より京都の鋳造師・秦蔵六に鋳造を、同年9月に同じく京都の印司・安部井音人（安部井櫟堂）に彫刻が命じられ、国璽と共に1年がかりで製作された。1874年（明治7年）4月に完成し、同年7月20日に新しい御璽・国璽の印影が回達された〔。以降、今日に至るまで改刻されることなく使われている。なお、予備は存在しない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア（Wikipedia）』 ■ウィキペディアで「御璽」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Privy Seal of Japan 」があります。 スポンサード リンク
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