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冬季作業車両(英語:winter service vehicle、略称:WSV)または除雪車(snow removal vehicle)とは、道路や空港などで雪や氷の除去作業を行うための車両をいう。 通常はダンプカーや専用のAWDシャシをベースとし、特別に設計された除雪装備を有しているが、舗装済歩道や未舗装歩道や自転車道向けの車両では、より小型の車両を投入している。温帯や寒帯に属する地域では、冬季の安全運転確保のため、多くの道路保守当局や建設業者が複数の冬季作業車両を保有して道路の除雪や除氷を行っている。空港では安全な離着陸を確保するため、航空機の空気力学に干渉する可能性のある雪や氷を機体表面や滑走路や誘導路から取り除く目的で使用される。 最初期の冬季作業車両は、そりのために路面を円滑に維持する目的で設計されたスノーローラーであると言われている。ただし馬に引かせたスノープラウ(除雪板)やグリット(後述)散布車は早くも1862年には使われていた。20世紀初頭のモータリゼーションと航空機利用の普及により、大型の発動機付き冬季作業車両が開発され、今日に至っている。 == 歴史 == 除雪作業の歴史は少なくとも中世にまで遡るが、初期の試みは歩道や車道から雪を取り除くために単にシャベルやほうきを使う、というものであった〔 。 モータリゼーション以前、積雪はそれ程問題視されていなかった。田舎の未舗装の道路はでこぼこであり、多くの場合通行を困難にしたが、雪や氷がその表面を円滑にした。ほとんどの農家が通常の四輪車の代わりにそりを使い、木材のような重い材料を楽に運搬することができた〔。 アメリカ合衆国およびカナダの北部地方の初期のコミュニティは、道を覆っている雪を圧縮するために、動物に引かせたスノーローラーを使っていた。今日でいう圧雪車のはしりといえるそれらの車両によって雪を圧縮する事により雪の寿命を伸ばし、そりの運行を容易にした。橋のような露出した箇所でもそりが通過できるように、そららの場所に雪を敷き固めるための管理者を雇うコミュニティさえもあった〔。 ところが舗装の普及と都市の発展に伴い、雪を敷き固めることは車両や歩行者のスリップ事故を誘発する為、次第に好まれなくなった。除雪車両に関する最古の特許は1840年に遡るが、その特許物が実際に使用されたという記録は1862年まで見られない。その年はウィスコンシン州のミルウォーキー市がスノープラウ(snowplow、除雪板)を装着した荷馬車の運用を始めた年である〔。馬が引くスノープラウは急速に他の都市、特に豪雪地域に広まっていった。 最初の発動機付きスノープラウ(除雪車)は、トラックとトラクターの車体をベースとして1913年に開発された。結果として除雪作業が機械化され、除雪にかかる労力が削減され、除雪速度と効率が向上した〔。航空産業の発展もまた、20世紀初期の冬季作業車両開発のための契機となった。わずかな雪や氷の浮遊でさえ航空機事故を引き起こす可能性があるため、空港では吹き溜まりをなくすための大きなフェンスが離着陸場の周囲に立てられ、悪天候時でも滑走路をクリアに保つ為の車両群の配置が始まった〔。 自動車が普及するにつれ、雪かきだけでは道路の除雪や除氷には不十分だという事が知られてきた。このため、融雪速度を加速するために凍結防止剤を使用する融雪剤散布車が開発された〔。融雪剤散布(gritting)の試みは、初期の頃には使用した塩が錆を招き、橋梁のような金属構造物や歩行者の靴に損傷を与えたために反発を招いた。ところが交通事故の増加に伴い反発は沈静化し、1920年代末までに米国の多くの都市が道路をクリアにし安全性を高めるために塩と砂を使うようになった〔。1960年代から1970年代にかけての環境意識の高まりによって、融雪剤散布はその環境へ与える影響のために再度批判の対象となり、代替除氷剤とより効果的な散布システムが開発されることとなった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「冬季作業車両」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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