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数学の線型代数学の分野において、凸錐(とつすい、)とは、ある順序体上のベクトル空間の部分集合で、正係数の線型結合の下で閉じているもののことを言う。 == 定義 == あるベクトル空間 ''V'' の部分集合 ''C'' は、任意の正のスカラー α, β および任意の ''C'' の元 ''x'', ''y'' に対して α''x'' + β''y'' も ''C'' の元となるとき、凸錐と呼ばれる。 より簡潔に定義の条件を書くと、任意の正のスカラー α, β に対して "α''C'' + β''C'' = ''C''" が成り立つこと、となる。 この概念は、有理数体や代数体や(より一般の)実数体上の空間のように「正」のスカラーの概念が存在する任意のベクトル空間に対して意義のあるものとなる。 空集合や、全空間 ''V'' およびその任意の線型部分空間(自明空間 も含む)は、定義より凸錐である。その他の例として、''V'' の任意のベクトル ''v'' とその正の定数倍からなる集合や、R''n'' の正の象限(すべての成分が正であるベクトルの集合)などが挙げられる。 より一般の例として、正のスカラー λ と、''V'' のある凸部分集合 ''X'' の元 ''x'' に対するベクトル λ''x'' の集合が挙げられる。特に ''V'' がノルム線型空間で、''X'' が 0 を含まない ''V'' の開球(resp. 閉球)であるなら、この構成法により得られる凸錐は開(resp. 閉)凸円錐である。 同一のベクトル空間内の二つの凸錐の共通部分はまた凸錐である。しかし、それらの合併は凸錐でないこともあり得る。凸錐の類はまた、任意の線型写像の下で閉じている。特に、''C'' が凸錐であるなら、−''C'' もまた凸錐である。さらに ''C'' ∩ −''C'' は ''C'' に含まれる最大の線型部分空間である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「凸錐」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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