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分布定数回路(ぶんぷていすうかいろ、ぶんぷじょうすうかいろ)は、回路素子が有限の個数で集中することなく、無限に分布している回路である。例えば1mあたり100pFの静電容量を持つ同軸ケーブルがあったとする。これは、10cmあたり10pFでもあり、1cmあたり1pFでもある。非常に小さな容量のコンデンサが無限に分布していると考えられ、これを分布定数回路と言う。インダクタで考えても同様である。 ケーブルのように一様な形状・電気特性の箇所にケーブルの長さよりも十分に波長が短くなるような高周波の交流信号が加えられ、ケーブルの全体にわたって電圧・電流分布が均一であるとみなせないような状況の下での振る舞いを取り扱う。対義の概念は集中定数回路である。 特性をあらわすためにSパラメータを用いることが多い。 ==概要== 典型的な例として平行二線線路、同軸ケーブルを考えてみる。 長さ方向に導通を前提とした小さい抵抗成分、インダクタンス成分が、長さ方向のある点では導体間に容量成分、絶縁を前提とした大きい抵抗成分が存在する。 直流または十分に低い周波数では、線路を構成する導体全体で電圧・電流分布は一様と扱うことができる。 周波数が高い領域では、インダクタンス成分、容量成分の影響が顕在化し、印加した信号の線路上での進行をモデル化した電信方程式で取り扱う必要がある。 分布定数線路は周波数が高い領域での線路回路の取り扱いである。 ここでいう周波数の高い・低いは印加する信号の周波数と線路の長さから相対的に決まるもので、一般には線路長がλ/4程度になる前後から考慮する必要がある。 すなわち、商用電源の送電網のように、一般的には周波数が低いと認識される場合でも、その線路長が非常に長い場合には、分布定数回路として扱う必要がある。 ---- 超高周波回路をつくるには、回路を構成する要素の遅延時間がマイクロ秒以下のオーダーでなければならず、したがって必然的に構成要素は極小(マイクロメートル以下)のスケールになる。 2009年での微細加工技術では,パソコンに使われるCPUの構成素子は全てナノサイズオーダーで作成されており,そういったデバイスでは動作周波数がGHz以上で作動するため,数ナノセカンド以内に素子から素子へ信号を伝える必要があり,遅延時間はナノセカンド以下に抑えられている。 当然、ミリメートル規模の要素(回路素子および配線の太さ)でつくられた回路は、遅延時間が大きく、超高周波では減衰率も大きいので,大きな回路要素では超高速動作(数十MHz以上の信号を扱う)は不可能である。 また,超短波(メートル波)以上の高周波数を取り扱う通信機器(携帯電話など)では,使用される受信回路には必ず分布定数回路の考えが取り入れられている。 低周波回路ではフィルタをつくるのにインダクタンス(=コイル)・コンデンサ・抵抗(LCR)を用いるが、超高周波回路では配線自体がLCRになってしまうため、配線だけでフィルタ(LPF・BPF・HPF・BEF)を構成できる。 設計には始めに、配線の特性を考慮して、信号の伝播に位相遅れが生じることを念頭に伝播速度・反射係数・減衰率・周波数余裕などを設定する必要がある。 配線間の容量・信号透過率も考慮しなければならないため非常に高度な設計法を必要とする。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「分布定数回路」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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