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『分裂病の精神病理』(ぶんれつびょうのせいしんびょうり)は、日本の精神科医である土居健郎が中心となり、1972年に気鋭の精神医学者達が統合失調症に関するワークショップを行い、その成果を一冊の本にまとめたものである。当初は一回きりの試みとして行われたが、結果として大きな成功を収め、以後16年間続くシリーズとなった〔井原裕 (2006) p.255〕。それ以後は東京大学出版会から星和書店が引き継ぎ、『分裂病の精神病理と治療』という書名で1997年まで計8巻を発行している。 == 概説 == === 統合失調症の研究書 === 1960年代は反体制の大学闘争の時代であり、ようやく組織化された精神病理学会は数年で潰れてしまった。精神病理学者の中井久夫は、「当時は、分裂病の研究そのものが悪であるかどうかという議論もあって、かなり緊張した雰囲気のなかで分裂病の病理研究がスタートした」と述べている。反精神医学の嵐が吹き荒れ、「分裂病は社会的レッテルに過ぎない」という極端な主張もあり、本シリーズの研究者にはあからさまな脅迫すら行われていた〔井原裕 (2006) p.258〕。しかし圧力に屈せず研究は継続され、1972年東京大学出版会より出版された「分裂病の精神病理1」を皮切りに、「分裂病の精神病理」シリーズが刊行されることとなった。 土居健郎、笠原嘉、安永浩、宮本忠雄、木村敏、中井久夫など名だたる精神医学者達が旅館で合宿を行い、各自の発表をもとに互いに真剣な議論が交わされ、その成果がこの研究書に結実したのである。後半には次代の精神病理学を形づくった村上靖彦、永田俊彦、市橋秀夫、中安信夫らが加わっている。本シリーズは精神医学の分野だけでなく、哲学をはじめとした人文科学の分野にも大きな影響を与えた〔加藤敏 (2013) p.258〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「分裂病の精神病理」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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