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初期近代英語(しょききんだいえいご、)は中英語時代の末の1450年頃から1650年頃の英語をいう。代表的な文献として後期に属するジェームズ王欽定訳聖書およびウィリアム・シェークスピアの著作が挙げられる(欽定訳聖書は経典という性格から当時の口語と異なる古風な語法が用いられている)。現代英語しか知らない人でも大体理解できる程度に現代英語に近い。現在の英語では発音と綴りに若干乖離が見られるが、これは現在の綴りが初期近代英語期のまだ大母音推移が完了していない頃に定められたためである。 == 正書法 == 初期近代英語における正書法は現代の英語と大凡似ているが、綴りは不安定だった。 初期近代英語の正書法のうち、現代に残っていない特徴的な綴りを下に挙げる。 *文字Sは、現在使われているs(短いs)とſ(長いs)の2つの別個の形が存在する。語尾には短いsが、他は長いsが使われた。特にsが2つ連続した場合、ſſまたはſsと書かれることがある(ドイツ語の合字:en:ßを参照)〔例えば、happineſsや、bleſſedneſs等のように綴られる。〕。これはギリシャ語におけるσ(シグマ)が語尾と語中で形が変わるのにちょうど似ている。 *uとvはまだ別個の文字とはみなされておらず、同じ文字の別字形であった。語頭にはv、他はuが使われた。それ故、vnmoued (unmoved)やloue (love)等と綴られる。 *iとjもまた別個の文字とはみなされておらず、同じ文字の別字形であった。それゆえ、"joy"が"ioy"に、"just"が"iust"になったりする。 *Þ(ソーン)はまだ使われていた。しかし、手書きなどの文章に限られていた。印刷ではÞはしばしばYに置き換えられる。 *無音のeは、しばしば語尾に付け加えられた。この無音のeが付されるとき、最後の子音が二つになったりする。それ故、ſpeake、cowarde、manne (man)、 runne (run)等と綴られた。 */ʊ/(sonのoの音)の音はしばしばoで書かれた。それゆえ、ſommer、plombe (summer、plumb) と綴られた〔ワルター・ウィリアム・スケート(:en:Walter William Skeat)は、著書"Principles of English Etymology"の中で、uやnの文字が合計三字続いた場合、よくuがoになった。sunneと書くと、sunueやsuvneのように誤読しかねない、それでsonneと書いたりする、と主張している。 (Skeat, ''Principles of English Etymology'', Second Series. Clarendon Press, 1891. Page 99 .)〕。 しかし、確立された綴りは存在しなかった。例えば、"Julius Caesar"(ユリウス・カエサル)は *Julius Cæſar *Ivlivs Cæſar *Jvlivs Cæſar *Iulius Cæſar などと様々に綴られた。また、 シェークスピアの作品では、"he"(彼)が一つの文の中で"he"、"hee"と二通りに綴られたりした。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「初期近代英語」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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