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別除権(べつじょけん)とは、破産手続、民事再生手続に左右されずに、実定法上の担保権の対象となる財産等(担保物権)を処分することで回収をすることができる権利のこと。別除権を有する担保権者を別除権者という。 == 概要 == 破産手続の別除権(破産法65条) # 別除権は、破産手続によらないで、行使することができる。 # 担保権(特別の先取特権、質権又は抵当権をいう。以下この項において同じ。)の目的である財産が破産管財人による任意売却その他の事由により破産財団に属しないこととなった場合において当該担保権がなお存続するときにおける当該担保権を有する者も、その目的である財産について別除権を有する。 破産手続での留置権の取扱い(破産法66条) # 破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき存する商法又は会社法の規定による留置権は、破産財団に対しては特別の先取特権とみなす(1項)。 # 前項の特別の先取特権は、民法その他の法律の規定による他の特別の先取特権に後れる(2項)。 # 第1項に規定するものを除き、破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき存する留置権は、破産財団に対してはその効力を失う(3項)。 担保物権から全額回収できない場合には、破産手続参加により破産配当を受けたいところであるが、破産債権届をしても、通常の場合は別除権があることで破産管財人が異議を申立てるので異議ある債権とされる。異議ある債権となった場合、破産配当を受けたい場合は、最後配当の公告が効力を生じる日等までに担保物件をすべて処分して破産債権を確定するか、破産債権査定申立などで破産債権を確定するか、破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続中であることを証明する等(破産法198条1項)しないと破産配当に与れない。また、別除権者は、最後配当に関する除斥期間内に、破産管財人に対し、当該別除権に係る担保権によって担保される債権の全部又は一部が破産手続開始後に担保されないこととなったことを証明し、又は当該担保権の行使によって弁済を受けることができない債権の額を証明しなければならない(破産法198条3項)。 破産管財人は破産者の財産である破産財団が処分可能である時は、その破産財団に担保設定している別除権者に対し任意処分の交渉をするが、別除権者が配分が少ないなどの理由で断ると、破産管財人は、予め通知の上その財産を破産財団から放棄してしまう。こうなると別除権者は破産者が法人の場合には担保権実行しかなくなる(個人の破産の場合には、破産管財人が破産財団から放棄した財産の処分権は破産者自身に戻るので任意処分は可能。法人の場合には、破産管財人が放棄した財産についての処分権がなくなるので、清算人選任をしないと処分できないが、清算人選任にはかなりの費用がかかるため任意売却だけのために費用を掛けるには費用倒れとなり、担保権実行にせざるを得ない。)。いずれにしても、除斥期間までに破産債権が確定しないと破産配当を受けられないことになる。 民事再生手続の別除権(民事再生法53条) # 再生手続開始の時において再生債務者の財産につき存する担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権をいう。第三項において同じ。)を有する者は、その目的である財産について、別除権を有する(1項)。 # 別除権は、再生手続によらないで、行使することができる(2項)。 # 担保権の目的である財産が再生債務者等による任意売却その他の事由により再生債務者財産に属しないこととなった場合において当該担保権がなお存続するときにおける当該担保権を有する者も、その目的である財産について別除権を有する(3項)。 特別清算手続での「担保権の実行の手続等の中止命令」(会社法516条) 裁判所は、開始の命令があった場合において、債権者の一般の利益に適合し、かつ、担保権の実行の手続等(清算株式会社の財産につき存する担保権の実行の手続、企業担保権の実行の手続又は清算株式会社の財産に対して既にされている一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づく強制執行の手続をいう。以下この条において同じ。)の申立人に不当な損害を及ぼすおそれがないものと認めるときは、清算人、監査役、債権者若しくは株主の申立てにより又は職権で、相当の期間を定めて、担保権の実行の手続等の中止を命ずることができる。 会社更生法における担保権には別除権は認められず、更生担保権として認められないと、一般更生債権とされる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「別除権」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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