|
版(はん、edition)とは、本などの出版物において、ほぼ同一の原版から印刷された、ほぼ同一の内容をもつものの総称である。同じ版のなかで、印刷時期が異なるものを 刷(すり、さつ、impression, printing)と呼ぶ。ただし、同じ版でも多少の訂正が施されていることもあり、特に日本では両者が(しばしば意図的に)混同され、実質的には刷である「版」や、実質的には版である「刷」も普通に見られる。 == 版 == 出版物における版には、次のようなものがある。このほか、意味は異なるが、シリーズものや逐次刊行物の中の1巻を示すものとして「○○版」という表記が用いられることがある。なお、「重版」や「再版」は重刷・増刷と同義であり、「訂正再版」などと特に訂正が示唆されていない限り、版ではなく「刷」である。 # 内容の変更を表すもの - 初版、第2版、訂正版、増補版、補正版、2010年版、など。 # 装丁の種類を表すもの - 豪華版、愛蔵版、廉価版、普及版、文庫版、など。 # 判の大きさを表すもの - 卓上版、ポケット版、大活字版、など。 # 出版地・出版者を表すもの - 駿河版、勅版、講談社版、など。 # メディアの種類を表すもの - Kindle版、PDF版、など。 装丁・判型・出版者の区別による各版について、さらに「廉価版の第2版」というように、内容の変更を表す版が存在する。(ない場合は、その初版・第1版のみと考えられる) 内容の変更を表す「版」としては、第2版、第3版、第4版……、といった序数詞を用いるものが最も基本的なもので、和書・洋書を問わずよく用いられる。「第」を省いて「2版」などとも書く。英語では第2版を や と書き、ドイツ語であれば などと表す。表紙・背表紙・標題紙・箱などのほか、和書では奥付、洋書では標題紙の裏にも書かれる。第1版・初版という表記は、今後の改版が予定されているものでもなければ、最初から表紙・標題紙に記されることはまれで、通常は和書の奥付、洋書の標題紙の裏に書かれる程度である。「初版本」が高値で取り引きされることもあるが、そのような対象となる本の場合、様々な出版者から何度も発行されていることが多く、それぞれの出版者・装丁について「初版」が存在するが、古書の収集家などにとっての「初版」は、世界で最初に出版された「初版」の、その第1刷のことである。 このほか、新版 (New Edition)、改訂版 (Revised Edition)、増補版 (Enlarged Edition)、増補訂正版・増訂版 (Revised and Enlarged Edition) といった語句で表されることもあり、「増訂第5版」などと序数詞と組み合わせることもある。「初版」の次が「改訂版」であった場合、その次は「改訂第2版」であったり、あるいは改訂版を第2版とみなし「第3版」「三訂版」となることもある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「版と刷」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Edition (book) 」があります。 スポンサード リンク
|