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前兆の詩 : ミニ英和和英辞書
前兆の詩[し]
=====================================
〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょう]
  1. (num) sign 2. omen 3. indication 4. portent 5. 1,000,000,000,000 6. trillion (American) 7. billion (British) 
: [し]
 【名詞】 1. poem 2. verse of poetry 

前兆の詩 ( リダイレクト:オージンのワタリガラスの呪文歌 ) : ウィキペディア日本語版
オージンのワタリガラスの呪文歌[おーじんのわたりがらすのじゅもんか]

オージンのワタリガラスの呪文歌』(''Hrafnagaldur Óðins'')は、古エッダの形式で書かれた、古くとも中世後期の14世紀、おそらくは17世紀頃成立のアイスランド語である。正題が記された写本にはすべて『(または)序詩』((''al./eþur'') ''Forspjallsljóð'') という副題も付記される〔, "All manuscripts that contain Hrafnagaldur include the subtitle ‘Forspjallsljóð’". ‘Forspjall’ (‘preface’)と意訳される語で初出は1649年の近代語であり、おそらくラテン語prologusから転じた訳語であろう釈義する。Cleasby-Vigfusson辞典での定義は"prelude"〕〔Jónas Kristjánsson 2002.〕。邦題は他に『オーディンの鴉の歌』〔松村武雄編『北欧の神話伝説〔Ⅰ〕 《世界神話伝説大系 29》』(名著普及会、1927年初版、1980年改訂版)p.222 に見られる邦題。〕など。
==年代==
ソーフス・ブッゲは、自らが編集した影響力を持つ『古エッダ』1867年版の中で、この詩が17世紀の作品で、『または序詩』という副題は、『バルドルの夢』への導入として作られたと推論した。それ以来、古エッダの各版には収録されなくなり、また広く研究されることもなくなっていた。しかしブッゲ以前は、古エッダの一部と考えられ、例えばによる英語訳(1797年)、ベンジャミン・ソープの英語訳(1866年)、カール・ヨーゼフ・ジムロックの有名なドイツ語訳(1851年)には古エッダの一篇として収録されていた。
2002年、アイスランド文献学ヨウナス・クリスティアンソンが、アイスランドの「Morgunblaðið」誌上でこの年代問題を蒸し返し、ブッゲの分析に反論を試みた。ヨウナスは言語学的な根拠とテキストが改悪されたと見られる状況に基づき、詩の成立年代はブッゲの主張より古く、おそらく14世紀(1300年代)であろうと異論を唱えた〔,〕。それに対し、言語学者は、韻律の分析に基づき、伝わっている詩の成立年代を16世紀以前に遡るのは困難であろうと主張した〔.〕。
アネッテ・ラッセン(Annette Lassen)の初期段階の随筆、いわばこれからの研究課題発表文(2006年)では、この詩は少なくとも『フョルスヴィーズルの言葉』や『太陽の歌』()に比しても、懐疑の対象とすべきではないという中立的な立場を示した。しかし、氏が研究を完成させて発表した、この詩の校訂版・新訳(2011年)においては、この詩が「中世終焉後」()の産物であることを明確にしており、おそらく「1643年に≪王の写本≫が再発見された直後」に書かれたものと推定する。バラッド研究のホイクル・ソルゲイルソン(2010年)は、やや早い17世紀前半の成立を提唱している〔。別の論文で "Hrafnagaldur Óðins, which Haukur Þorgeirsson (2010: 315) has recently dated to the first half of the 17th century," と言及〕。
ラッセンによれば、詩の第22節にあるのは、「夜に助言は訪れり」()という諺の借用だということは早々より判明しているが〔最初の印刷本()で既に指摘されているという()〕、これは古い格言であっても、アイスランドへの伝達はエラスムス『』(1500年初版)経由であることは必至で、詩の成立は、この格言集以後だと力説する〔。エラスムスが遡れる最古年の限度とする。〕〔古くは紀元2世紀の用例もあるが()、中世以降の初出は15世紀のギリシア人、の『諺集』である。〕。また、第20節にある ''máltíd'' というの外来語の使用から、14世紀中葉以降という年代制限を割り出せるが、その詩が「そこまで古いことはまずありえない」とする〔"hardly be as old as that" 〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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