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劉 勲(りゅう くん、生没年不詳)は、中国後漢末期の武将・政治家。字は子台〔『三国志』魏志「司馬芝伝」が引く『魏略』。〕青州琅邪郡の人〔『三国志』魏志「司馬芝伝」が引く『魏略』〕。妻は王宋と山陽郡の司馬氏。兄が1人(名は不明)〔『三国志』魏志「司馬芝伝」が引く『魏略』。豫州刺史になったことがあるという。〕。従弟に劉偕〔『三国志』呉志「孫破虜討逆伝」が引く『江表伝』〕。甥(兄の子)に劉威〔『三国志』魏志「司馬芝伝」が引く『魏略』。豫州刺史であった父の死後、政治を執ったことがあるという。〕。『三国志』に伝はないが、各所に記録がある。 娘が一人いる〔『三国志』「方技伝」が引く『華佗別伝』。それによれば、20歳近くになる劉勲の娘は左足の膝に腫れものができたため、華佗の治療を受けてわずか7日で完治したと記されている。〕。 == 生涯 == === 孫策に敗れる === 袁術の故吏であり、曹操とも旧知であったという(『三国志』呉志「破虜討逆伝」、『三国志』魏志「司馬芝伝」が引く『魏略』)。 中平年間には沛国建平の県長を務めていた(『三国志』魏志「司馬芝伝」が引く『魏略』)。 揚州に進出した袁術は、廬江郡を孫策に命じて攻略させたが、太守の座には孫策ではなく、自分の元々の部下である劉勲を任命した(『三国志』呉志「破虜討逆伝」)。 劉勲は皖城を本拠としていた。建安4年(199年)6月〔『後漢書』「献帝紀」〕に袁術が死ぬと、劉勲は孫策を頼って落ち延びようとする、袁術軍の大将の楊弘と張勲らを捕虜とし、財宝を略奪し、その軍勢も吸収したという〔『三国志』呉志「破虜討逆伝」。なお、『三国志』呉志「孫破虜討逆伝」が引く『江表伝』によると、袁術の従弟の袁胤と女婿の黄猗は、曹操を恐れて寿春を離れ、袁術の棺と袁燿ら袁術の一族や配下を連れて、劉勲に保護を求めたという)。〕 同じ頃、皇族の流れを汲む豪族の劉曄は、賊の鄭宝を討ってその配下を降参させて軍勢を手に入れていたが、資力などの問題から自身で軍勢を率いることを望まなかったため、劉勲に鄭宝の軍勢を預けることを申し出てきた。劉勲は不審がったが、劉曄が説明をすると納得し、鄭宝の軍勢をも吸収した(『三国志』魏志「劉曄伝」)。 こうして劉勲は長江・淮河の一大勢力へと発展した。しかし急増した兵を養えず、慢性的な兵糧不足に悩むことになる。 孫策はかねてから劉勲の勢力に恐れを抱き、表向きは友好関係を取り繕いつつ、攻撃の機会を狙っていた。あるとき、孫策は劉勲に贈り物と共に謙った内容の手紙を送り、予章郡の上繚の賊を共に討つことを提案してきた。孫策の意図に疑問をもった劉曄は反対したが、劉勲は兵糧確保をする必要もあり、上繚へ出兵した。しかし、やはりその隙に本拠である皖城を孫策に攻め取られてしまった。劉勲は江夏太守の黄祖の支援を受けて西塞山において、孫策と戦ったが完敗したという(『三国志』魏志「劉曄伝」、『三国志』呉志「破虜討逆伝」)〔なお、以下のような異聞が紹介されている。劉勲は従弟の劉偕を豫章太守の華歆の下に派遣し食糧の援助を申し出た。しかし、華歆の方でも兵糧が不足していたため、郡の役人を劉偕につけて、海昏・上繚の現地の有力者から3万石の米を供用させようとしたが、劉偕は現地に赴いて1ヶ月で数千石しか得られなかった。劉偕は劉勲に手紙を送り、現地に軍勢を送って食糧を強奪することを提案した。劉勲は自ら軍を率いて海昏に向かったところ、現地の有力者は食糧を持ち出して逃亡し、劉勲は結局何も手に入れることはできなかった。たまたま、孫策は江夏太守の黄祖を討つために遠征していたが、劉勲が本拠である皖城を留守にしていることを聞き、孫賁・孫輔らの別働隊を彭沢に派遣し、劉勲の軍勢を待ち伏せさせると共に、皖城を急襲し直ちに降服させ、袁術の残した兵士と物資、それに袁術と劉勲の妻子の身柄を確保した。孫策は捕虜を呉に送りとどけると共に、廬江太守の後任に汝南の李術を任命し皖城を守らせた。劉勲は待ち伏せした孫策の別働隊に敗れ、楚江に入った後、尋陽から徒歩で置馬亭に逃げ延びたところで、本拠の皖城が孫策の手に落ちたことを知り、西塞山に身を潜めた。後に劉勲は山中にある流沂城に拠り、荊州の劉表に急を告げ、さらに江夏太守の黄祖に援軍を求めた。黄祖は子の黄射に水軍5000を与えて援軍を差し向けたが、孫策は西塞山の劉勲を攻撃しこれを打ち破り、劉勲は劉偕と共に北の曹操の下へ逃れたという。(以上、『三国志』呉志「孫破虜討逆伝」が引く『江表伝』〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「劉勲」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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