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勇士殺しのアースムンドのサガ()とは、アイスランドに伝わる伝説のサガ(物語)の一つである。全10章からなる〔西田訳による。〕。 このサガは、本質的にはゲルマン語の叙事詩『ヒルデブラントの歌』の翻案ものであるが、ティルフィング伝説 (Tyrfing Cycle) になぞらえられている部分もある。 このサガの最後に登場する歌(エッダ詩)は、『ヒルディブランドの挽歌』と呼ばれている〔西田 (1991): 204.〕。 サクソ・グラマティクスの『デンマーク人の事績』には、このサガと瓜二つの物語が収められている〔。しかし登場人物の名前は全て違うものとなっており、たとえばヒルディブランドは「ヒルディゲル」(Hildiger) と呼ばれている。 ==あらすじ== フン族の王ヒルディブランド (Hildebrandr) には、ヘルギ (Helgi) という息子がいた。ヘルギはスウェーデン王ブズリ (Buðli) の娘ヒルド (Hildr) と結婚し、一人の息子をもうけた。息子は父方の祖父によって育てられ、祖父の名を取ってヒルディブランドと名付けられた。 ヒルディブランドは偉大な戦士に育ち、「フン族の勇士」と呼ばれるようになった。彼の父ヘルギが戦死したとき、母方の祖父であるスウェーデン王ブズリがデンマーク王アールヴ (Álfr) に殺された。アールヴはヒルディブランドの母ヒルドを捕らえ、勇士アーキ (Áki) に与えた。アーキとヒルドの間にはアースムンド (Ásmundr) という息子が生まれた。 ヒルディブランドが父の死を知ると、彼はデンマークに向かい、アールヴを殺害し仇討ちを果たした。しかしアールヴにはエーサ (Æsa) という娘がおり、アースムンドは彼女に結婚を申し込んでいた。その王女はアースムンドに、ヒルディブランドを殺し彼女の父の仇討ちを果たせば結婚すると約束した。 ヒルディブランドを殺害するために、アースムンドはザクセンに向かった。ザクセンはヒルディブランドと彼の部下であるベルセルクたちに悩まされていた。数日間を要した一連の決闘 (holmgang) によって、アースムンドはヒルディブランドの部下の全員を下した。 この事がヒルディブランドの耳に入ると、彼は「ベルセルクの狂乱」にかられ、自身の息子を殺してしまった。ヒルディブランドがライン川を遡っているときにアースムンドと出会い、彼らは戦いを始めた。彼らの戦いは長時間に渡ったが、ヒルディブランドは重傷を受け、剣も折れてしまった。ヒルディブランドはアースムンドに歌を献げ、彼らが異父兄弟であることを明かし、自身の遺体をアースムンドの服で包んで埋葬してほしいと頼んだ。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「勇士殺しのアースムンドのサガ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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