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北上山地(きたかみさんち)は、日本の岩手県と宮城県松島以北を東西に隔てて、青森県の一部に広がる山地である。北上高地ともいう。「北上山脈」は誤り。 東に太平洋、西に北上川・馬淵川が作る低地帯に接する。この北上山地を境に西側が北上盆地となり、東側が三陸海岸となる。北は青森県南東部の階上岳付近を末端として、南は宮城県の牡鹿半島を末端としている。 ==地勢== === 地形の形成史 === 地質的には古生界と中生界(それぞれ古生代・中生代の地層)が広く分布する〔『日本の地質』第2巻7頁。『日本の地形』第3巻46頁、47頁。〕。最高峰を抱える早池峰構造帯を境に南北に大きく分かれ、北部北上山地の南部北上帯、南部北上山地に葛巻-釜石帯と安家-田野原帯がある〔『日本の地形』第3巻48頁。〕。各構造帯を分かつ線は、南北に長い山地を斜めに切っておおよそ北北西から南南東に走る。 このうちもっとも古い先シルル系の基盤を持つのは南部北上帯である。奥州市前沢区の生母の北部〔生母は母体村と赤生津村の合併で生まれた合成地名である。〕の北部と奥州市水沢区黒石町に広がる母体変成岩類、陸前高田市の氷上山を中心にした氷上花崗岩類などがあり〔『日本の地質』第2巻8頁。村田正文他「北上山地における先シルル基盤の追認」。〕、日本の中でも最古の部類に属する地層である。南部北上帯はシルル紀からデボン紀にはサンゴが生育するような水温の高い大陸縁辺の浅海にあり、後に北上して北部北上山地に衝突したのではないかという〔『日本の地形』第3巻8-9頁、49頁。〕。北部の葛巻-釜石帯と安家-田野原帯は、古生代の基盤にジュラ系が付加されたものである。早池峰構造帯はオルドビス紀からシルル紀に海洋性地殻であったものが、南部北上帯と北部の地塊の衝突で境界部分が持ち上がった。この後、白亜紀前期に大島造山運動が起こり、全体が各所で花崗岩に貫かれた。北上山地の原型はこの頃にできあがった。 古第三紀まで北上山地は大陸縁辺でロシアの沿海州と一体になっており、阿武隈山地と距離が近かった。古第三紀に入って双葉断層を境に東側にある北上山地が北へ、西の阿武隈山地が南へと横ずれして引き離された〔『日本の地形』第3巻7-8頁。〕。続いて、およそ3000万年前から1500万年前までかかって、日本列島が大陸から分離して現在の位置に移動した。その頃の北上山地は一つの大きな島で、西側は浅海をなし、奥羽山脈はまだなかった。奥羽山脈の隆起は後期中新世に始まり、北上山地との間に北上盆地が生まれた。北上山地は新生代を通じて陸地であったため長く浸食にさらされた。加えて最終氷期に周氷河作用によって斜面がならされた結果、今あるようななだらかな地形ができあがった〔『日本の地形』第3巻51-55頁。〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「北上山地」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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