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北方真獣類(ほっぽうしんじゅうるい、)または北方獣類 ()は、真獣類有胎盤類のクレードの1つ。ローラシア獣類と真主齧類からなる上位のクレードである。単に英語読みでボレオユーテリアとも言う。 このクレードは現在、DNA配列の解析に加え、レトロトランスポゾンの有無のデータによっても、よく支持されている。 == 分子遺伝学と北方真獣類 == 北方真獣類は、互いに姉妹群であると考えられる2つの大クレード、すなわち、モグラ・クジラ・ウシ・ウマ・コウモリ・ネコなどの仲間を含むローラシア獣類と、ネズミ・ウサギ・サルなどの仲間を含む真主齧類(=超霊長類)とをまとめたクレードである。 ミトコンドリアDNAおよび核ゲノムのシークエンス解析を用いた分子遺伝学的なアプローチにより、現生するすべての真獣類は、系統的に以下の4つの大グループにまとめられることが明らかになっている〔William J. Murphy, Eduardo Eizirik, Mark S. Springer et al., ''Resolution of the Early Placental Mammal Radiation Using Bayesian Phylogenetics'',Science, Vol 294, Issue 5550, 2348-2351 , 14 December 2001.〕。 * Group I :アフリカ獣類(アフロテリア) * Group II :異節類 * Group III :真主齧類(ユーアルコントグリレス) * Group IV :ローラシア獣類(ローラシアテリア) これらのグループ分けそのものの妥当性には、ほとんど疑問の余地がないが、一方、この4つのグループが進化の過程で分岐していった順序については、さまざまな説が提出されており、まだ定説といえるものがないのが現状である。 しかし、その中で唯一、真主齧類とローラシア獣類の2つのクレードは、研究初期から、比較的高い近縁性を示していた。これらが姉妹群であることは、現在ほぼ確実視されており、この両者をまとめた北方真獣類(ボレオユーテリア)が単系統であることは、広く受け入れられている。 よって、各グループの系統関係を論じる上で実際に問題となるのは、その起源においてアフリカ大陸に深い関係があると見られるアフリカ獣類、南アメリカ大陸にほぼ固有である異節類(異節目(アリクイ目)に相当)、そして北方真獣類の3グループの分岐の順序、すなわち、三者のうちのいずれが最初に他の二者の共通の祖先から分岐したのか、ということになる。 この点に関して、現在、以下の3つの仮説が鼎立している。 ; アトラントゲナータ仮説 Atlantogenata Theory :アトラントゲナータ(異節類+アフリカ獣類) + 北方真獣類 ; エクサフロプラセンタリア(非アフリカ有胎盤類)仮説 Exafroplacentalia (Exafroplacentalia) Theory (Notolegia Theory) :アフリカ獣類 + 非アフリカ有胎盤類(異節類+北方真獣類) ; エピテリア仮説 Epitheria Theory :異節類 + エピテリア(アフリカ獣類+北方真獣類) 一方、東工大大学院の岡田典弘教授らのグループが、LINE配列の解析を行った結果、祖先多型〔祖先に異なるSINE配列を持った複数のグループが存在した事。通常はこの状態は長続きせず、いずれ一つの配列パターンに落ち着く。〕が存在し、その状態が解消される前に3つの系統は、ほぼ同時期に、急速に分岐したという学説を提唱している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「北方真獣類」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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