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十六小地獄(じゅうろくしょうじごく)は、仏教の地獄に伝わる八大地獄の周囲に存在する小規模の地獄で、地獄に落ちた亡者の中でもそれぞれ設定された細かい条件(生前の悪事)に合致した者が苦しみを受ける。条件は当時の倫理観や仏教の教えに沿っているため、中には現在の倫理観や社会風俗などに合わないものも存在する。 仏教では地獄は正方形をしており、四方向(東西南北?)に四つの門があり、門一つごとに小地獄が4種類で、4×4で十六種類あるとされている。条件に合った亡者の他に、大地獄から逃げてきた亡者が迷い込むこともある。 各地獄、小地獄の詳しい説明は各項目参照。 ; 十六小地獄 (等活地獄) : 必要がないのに生き物をむやみやたらと殺す、などの「殺生」の罪で落とされる等活地獄に付随する小地獄。「刀を使って殺生した」などの細かい条件によって十六種類の地獄が用意されている。ただし、その内9種類は、「正法念処経」においては名前のみで内容が記されていない。 ; 十六小地獄 (黒縄地獄) : 殺生に加えて「盗み」の悪行が加わると落とされる黒縄地獄に付随する小地獄。ここにも十六種類の小地獄があると伝わる一方で、「正法念処経」には3種類の名前・内容しか記されていない。 ; 十六小地獄 (衆合地獄) : 殺生・盗みに加えて、倒錯した性嗜好などの「邪淫」の悪行が加わると落とされる衆合地獄に付随する小地獄。「妻以外の女性と性行為を行った」などの細かい条件によって十六種類の地獄が用意されている。 ; 十六小地獄 (叫喚地獄) : 殺生・盗み・邪淫に加えて、酒に関係する悪事を犯した「飲酒」の罪を犯した者が落とされる叫喚地獄に付随する小地獄。そもそも初期の仏教では、酒を飲む事それ自体が(建前上)禁止されていた。「酒に毒薬を混ぜて人に与えた」などの細かい条件によって十六種類の地獄が用意されている。 ; 十六小地獄 (大叫喚地獄) : 殺生・盗み・邪淫・飲酒に加えて、嘘をついて人をだますなどの「妄語」の罪が加わった者が落とされる大叫喚地獄に付随する小地獄。「他人の田畑を奪い取るために嘘をついた者」などの細かい条件によって十八種類の小地獄が用意されている。ここのみ二種類多いことになるが、本来黒縄地獄に入れるべき物が混ざったのか、理由は明らかでない。 ; 十六小地獄 (焦熱地獄) : 殺生・盗み・邪淫・飲酒・妄語に加えて、仏教の教えとは相容れない教義を信じ(神仏習合の例もあるように、単なる異教崇拝とは違うらしい)、その誤った考えを民衆に広めて、また実践した結果、自分も含めた多くの人の生命や財産を損じた、「邪見」の罪が加わった者が落とされる焦熱地獄に付随する小地獄。「“殺生をすることで天に転生することができる”という邪見を述べた者」などの細かい条件によって十六種類の小地獄が用意されている。 ; 十六小地獄 (大焦熱地獄) : 殺生・盗み・邪淫・飲酒・妄語・邪見に加えて、童女や尼僧など清く聖なる者を犯した「犯持戒人」の罪が加わった者が落とされる大焦熱地獄に付随する小地獄。「仏門に入ったばかりの尼僧を犯した者」などの細かい条件によって十六種類の小地獄が用意されている。 ; 十六小地獄 (無間地獄) : 殺生・盗み・邪淫・飲酒・妄語・邪見・犯持戒人に加えて、「父母殺害」「阿羅漢(小乗仏教における聖者)殺害」など、仏教における最も重い罪を犯した者が落とされる無間地獄に付随する小地獄。「仏像・仏塔・寺社などを破壊した者」などの細かい条件によって十六種類の小地獄が用意されている。 この他にも、どの地獄に付随するのか不明な「黒沙地獄」がある。熱で焼けた黒い砂が罪人を骨まで焼き尽くす。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「十六小地獄」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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